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DJI、新世代業務用ドローンの統合型ソリューションを発表!

民生用ドローンと空撮テクノロジーで世界をリードするDJIは、2022年3月22日(火)、プロドローンオペレーター向けのオールインワン ソリューションを発表しました。
パワフルな業務用ドローンに加え、フリート管理遠隔システム、充電ステーションも兼ねた自律型ドローンドックから構成された統合型ソリューションで、公共安全機関やインフラ点検、エネルギー関連事業で使用される業務用ドローンの機能性を高め、次世代のドローンオペレーションを実現ことが期待されています。

今回の発表にあたり、DJIコーポレートストラテジー担当シニアディレクターのChristina Zhangは「DJI Enterpriseは、人命救助やインフラ管理、自然保護のようなミッションに革新をもたらし、従事している人員をサポートする新しいドローンソリューションの研究と開発に尽力しています。
卓越した性能と優れた携帯性・操作性を備えたDJI Matrice 30シリーズドローン、ドローン業務管理用クラウドソフトウェアDJI FlightHub 2とドローンドックDJI Dockの連携により、DJIは、自律型ソリューション分野に参入を考えている企業ユーザーの皆様に、目視外でのドローンオペレーションが実行できる環境を提供します(※現地の法規制に準拠し、許可を受ける必要があります) 。
次世代空撮ツールを発表することができ、とても誇りに思っています。今回の製品は、人命救助などの緊急対応ミッション、エネルギー事業における調査業務、環境保護、文化遺産のデジタル化や保護のような多様な分野で、包括的なサポートを提供することで、働く人々の負担を軽減し、業務自体の質を向上させます。」と述べています。

幅広い分野で利用でき、パワフルかつ携帯性に優れた商用ドローン「DJI Matrice 30」

DJIは、民生用ドローンと空撮技術の分野で世界的に活躍するリーディング カンパニーで、遠隔操作できるヘリコプターに情熱を傾けるスタッフにより創業・運営された、飛行制御技術と映像ブレ補正の分野に強みをもつ企業です。
世界中のクリエイター、イノベーターが空撮を行う際に、使いやすく、安全な商品を作ることをミッションとし、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの各国でオペレーションを展開しています。
映画制作、建設業界、点検・調査業務、非常事態対策や人命救助、農業、管理保全、その他さまざまな産業で、100ヶ国を超える国で採用されています。

今回新たに発表した「DJI Matrice 30(以下、「M30」)」シリーズは、バックパックに収まるコンパクトサイズの、DJI Enterpriseのフラッグシップドローンとなる機体です。
1つのカメラペイロードに高性能センサーを複数搭載し、制御には独自設計された送信機とアップグレードしたアプリ「DJI Pilot 2」を採用しています。パワー、耐久性、性能が大幅にアップしており、過酷な環境でも任務を遂行可能、また、コンパクト設計により、持ち運びやセットアップが簡単になっています。

M30シリーズは、パイロットが実際に送信機でドローンを操作する飛行オペレーション以外にも、新しくなったドローンフリート管理用クラウドベース ソフトウェア「DJI FlightHub 2」、ドローンドック「DJI Dock」と連携することで、遠隔かつ自動での飛行オペレーションが実行可能で、様々な分野における作業効率を改善することが期待されています。
M30シリーズには、「M30」と、サーマル(Thermal)カメラを指す「T」が付いた「M30T」の2種類のバージョンを展開、それぞれ、5〜16倍光学ズームと200倍デジタルズームに対応した48MP 1/2インチCMOSセンサーのズームカメラ、8K写真や4K/30fps動画撮影に対応した12MP広角カメラ、最大1,200 m 先の対象物でも高精度に座標を提示できるレーザー距離計を搭載しています。「M30T」では、M30モデルのカメラとレーザー距離計に加え、640×512ピクセルの放射分析サーマルカメラが搭載されています。

過酷な環境でも耐える堅牢性と、安全性、信頼性を高いレベルで実現、折りたたみ式で使いやすさも

保護等級IP55を誇り、-20℃〜50℃の広い温度範囲で稼働するM30シリーズは、大雨や強風、高高度、雪や氷のある低温環境など、過酷な条件下でも、優れた性能を発揮します。
低照度環境用に最適化されたFPVカメラ、内蔵された冗長システムとバックアップシステム、3つのプロペラしかない状態での緊急着陸機能、状態管理システム (HMS)、6方向障害物回避センサーに対応し、安心した運用を提供することができるとしています。
4つのアンテナを使用した「OcuSync 3 Enterprise」伝送システムにより、さらに安定した伝送を可能としており、複雑な地形や作業環境では、LTE接続をバックアップとして利用することが可能です(LTEネットワークの利用は、国・地域により異なります)。

M30シリーズ最大の特徴は、折りたたみ式統合型軽量設計(最大離陸重量4,000g)を採用し、収納や持ち運び、セットアップが簡単に行える点です。自己発熱機能を備えた「TB30インテリジェント フライトバッテリー」が、最大41分の飛行時間を実現しました。
「BS30インテリジェント バッテリーステーション」では、20%から90%までの充電を約30分で行うことができます。さらに機体にはセルフロック システムが搭載されており、ボタンを押すだけで折りたたむことができます。こうした工夫により、M30シリーズは、DJI Enterpriseドローンの中でも、セットアップが最も簡単に、最短でできる高性能ドローンとなっています。

最高ベルの安全性と機密性でユーザーデータを保護

データに関して、最高レベルの安全性と機密性を望むユーザーに対して、M30シリーズでは、安全性を最優先に考えた「DJI Matrice 300」のV3ファームウェアで設計されたものと同じ最高クラスのデータセキュリティ プロトコルを提供します。

ファームウェアの更新は完全にオフラインで可能、ファームウェアパッケージは、DJI公式サイトからダウンロードでき、microSDカードなどの外部ストレージデバイスに保存することによりM30シリーズにアップロードしたり、DJI Pilotアプリで更新したりできるようになります。
さらにローカルデータ モードにすることで、M30シリーズとインターネットの接続を完全につながっていない状態にし、機体のデータが外部に漏れないように、全てのデータの機密性を守ります。
また、セキュリティコードとAES暗号化技術を用いたSDカードデータのAES暗号化により、全ての写真、動画、飛行ログをmicroSDカード内に保存・保護します。

パイロットの高いニーズに応える業務用送信機「DJI RC Plus」

新たな送信機「DJI RC Plus」は、業務用ドローンのパイロットの高いニーズに応えるため、高解像度の7インチ ワイド画面を搭載し、より見やすくなった画面でより多くの視覚情報を提供します。
また「DJI RC Plus」の保護等級は、M30シリーズの等級に近いIP54を誇り、突然の雨の中でも使用することができます。

「DJI RC Plus」には、画面の両サイドにある操作スティックの下に合計6つの物理ボタンが配置され、ドローンの操作感が向上しています。
操作スティックを操作しながらでも、広角/ズーム/赤外線/FPVビューの切り替えなどの、ミッションに欠かせない機能をボタン操作で行うことができます。

「DJI RC Plus」の駆動時間は最大6時間、内部バッテリーとスワップ交換が可能な外部バッテリーにも対応しているため、バッテリー交換のためにミッションを中断することもありません。
microSDカードスロットに加え、USB/HDMI/USB Type Cポートを搭載しています。
また一部の国・地域では、4G接続に対応しているため、伝送の冗長性を確保することも可能としています。

状況認識力と多機能性を備えたフリート管理ソフトウェア「DJI FlightHub 2」

DJI Enterpriseのフリート管理ソフトウェア「DJI FlightHub 2」は、前モデル「DJI FlightHub」の機能をアップグレードし、業務中の地上チーム、ドローン、ペイロード、パイロット、全収集データの同期・連携を行うことができます。
完全にクラウドベースで機能するため、飛行ミッションの管理やモニタリングを、パイロットの送信機上だけではなく、パソコン、タブレット、モバイル端末など、ウェブブラウザを介して、あらゆるデバイスからでも行えるようになりました。
これからは、地上チームや現場監督、執行室にいる業務管理者などの関係者全員が、同じドローンミッションにアクセスし、ドローンとパイロットが収集したデータを確認することができます。

マッピング機能に対応しているため、刻々と変化する状況でも素早く対応が可能です。
ワンタッチ パノラマ同期機能は、ワンタッチで360°のパノラマ画像を作成し、クラウドにアップロード。パノラマ画像には座標情報が含まれ、該当ミッションの2.5Dベースマップに統合されるため、空撮映像を介して必要な情報を、ミッションに関わる全員に迅速に提供します。
またクラウドマッピング機能により、ユーザーが対象エリアをハイライト表示すると、M30シリーズがそのエリアを自動的に2Dマッピング化し、素早い情報収集が必要な緊急対応時などに、迅速に状況を把握できます。
マッピングで取得した画像を使って地図を生成し、ユーザーの持つ地図サービスの地図に、生成した地図をオーバーレイすることも可能です。
一度生成された地図は、ミッションを計画するベースとして使うことができます。

さらにライブ アノテーション機能に対応、点、線、多角形を使って地図上で対象をハイライト表示できます。M30シリーズのレーザー距離計により、捜索救助ミッションで、パイロットは行方不明者の座標を特定することができます。
座標は、「DJI FlightHub 2」のミッション画面上で自動同期されるため、司令センターや地上チームはリアルタイムで座標情報を確認し、同時に救助ルートを作成することができます。
生成された地図やモデリング、調査データは、AWS(Amazon Web Services)クラウドに全てアップロードすることができ、遠隔でアクセス・管理することが可能です。

自動離着陸や充電ステーションを行う自律型ドローンドック「DJI Dock」

自律型ドローンドック「DJI Dock」は、DJI M30シリーズ(Dock版)の自動離着陸や充電ステーションとして使用でき、ドローンのプログラム飛行ミッションを完全に自動で実行することができます。
完全充電されたM30シリーズ(Dock版)はドックから離陸し、ドックを中心にして半径7 kmの範囲で、「DJI FlightHub 2」でプログラムされたミッションを自動で遂行します。なお「DJI Dock」の日本での発売時期は未定です。

DJI M300 RTKの夜間業務を支援するハイブリッド式ペイロード「Zenmuse H20N」

M30シリーズのエコシステムと合わせて、 今回DJIではDJI M300 RTKドローン用に設計された「Zenmuse H20N」を発表しました。「Zenmuse H20N」は、スターライトセンサーを搭載したナイトビジョンカメラ、ハイブリッドズーム対応サーマルカメラ、レーザー距離計を併せ持ち、革新的な夜間業務の作業体験をもたらすハイブリッドセンサー ソリューションです。

スターライトセンサー搭載ナイトビジョンカメラは、20倍ハイブリット光学ズームに対応し、解像度640×512の2つのサーマルカメラはそれぞれ2倍と8倍の光学ズームに対応、そして、レーザー距離計の測定範囲は1,200m。極度の低照度環境下でも対象を鮮明に捉え、捜索救助オペレーションや、迅速な状況把握が必要な緊急事態での業務の水準を向上させます。

M30シリーズ 推奨基本製品構成と参考価格

・推奨基本製品構成:Matrice 30シリーズ (送信機、バッテリーステーション付き)+DJI Enterprise Sheild(一年間)

・本体参考価格:Matrice 30シリーズ機体:約90万円(バッテリーは含まれません)

Zenmuse H20N本体:約150万円

*バッテリーなどのアクセサリー類は、基本製品構成には含まれていません。

・販売時期:2022年4月末より順次開始予定

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