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佐川急便、離島山間部におけるドローンを用いた複数拠点間輸送に関する実証実験の開始へ

佐川急便株式会社は11月4日、一般財団法人環境優良車普及機構が公募していた「過疎地域等における無人航空機を活用した物流実用化事業」に採択されたことを発表した。当事業は物流量が限られる過疎地域において、輸送手段を既存の車両から無人航空機へ転換することにより、①CO2排出量の削減 ②労働力不足対策 ③災害時も含めた持続可能な物流網の構築 を目指したものである。佐川急便は地方自治体と協力し、離島・山間部におけるドローンを用いた複数拠点間輸送に関する実証実験を開始する予定だ。

佐川急便WEBサイトより引用

佐川急便が構想しているのは、特定の配送拠点からドローンを用い中継点を経由しながら終着点へ配送する流れである。この物流ネットワークを実現するために、島根県邑智郡美郷町、香川県小豆郡土庄町、福井県丹生郡越前町の3自治体が実証実験へ参加する。山々が連なる美郷町での複数拠点間輸送を皮切りに、瀬戸内海に浮かぶ小豆島の土庄町ではドローンによる離島間の海上輸送、日本海に面した越前町では開発中の169MHz帯を活用したドローンにより、災害時を想定し、一般的な携帯電話のLTE通信回線が途絶した場合でのドローン飛行の実証実験を行うのものとしている。

ドローン機体の提供およびオペレーションはイームズロボティクス株式会社が協力する。操縦は佐川急便の東京本社より目視外にて行う。使用されるドローンの仕様は以下の通りだ。

機体寸法軸間 1,060mm・全長 987mm・全幅 1,129mm・全高 547mm
機体重量5kg ※バッテリーなし
飛行時間約40分(離陸重量9.0kg・バッテリー700Wh搭載時)
飛行距離約24km(10m/s時)

機体サイズはDJI製産業用ドローン「M600」と同等クラスで、積載できる荷物は2〜3kg程度と想定される。1フライトあたり最大40分で24kmの飛行可能としており、かなり遠距離の配達が可能だ。

佐川急便は災害対策基本法に基づく指定公共機関として、災害時には国や自治体と協力して緊急事態に対応する責務を有しており、被災地へ救援物資を届ける上でも、ドローンによる輸送は有力な手段のひとつであると位置付けている。

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