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ドローンで送電線を巡視・点検 今後は異常個所自動検出も

2016年9月にドローンサービス事業の提携を合意した、東芝デジタルソリューションズとアルパインは、関西電力の協力を得て、ドローンを活用した電力インフラ巡視・点検を目的とした架空送電線の自動追尾飛行と自動撮影の実証実験に成功したことを発表しました。

電力インフラの巡視・点検の課題

現在、電力インフラ事業における送電線や鉄塔の巡視・点検では、習熟した保全作業員による目視点検が主流となっています。しかし、山間部などのアクセスしにくい場所を点検する場合、点検場所までの移動に時間を要し、昇塔には多大な労力が必要となります。

従来のドローンを用いた巡視・点検の課題

点検業務にドローンを活用することで、送電線や鉄塔の上部の画像を撮影することができ、異常個所の迅速な状態把握と保全業務全体での労力の低減、効率化に繋がります。

しかし、従来の技術でドローンの自動飛行による巡視・点検を行ったとしても、鉄塔間の送電線は、風の影響による揺れやたるみなどがあるため、地図情報のみを手がかりに飛行させたとしても、撮影した送電線の画像のピントがずれて不鮮明になったり、撮影視野外になるなどの課題がありました。

実証実験の内容と活用されたドローン

今回の実証実験では、東芝デジタルソリューションズと共に画像データを用いた保全業務の高度化に取り組んでいる関西電力の協力を得て、同社能力開発センターに設置された電気の流れていない訓練用の送電線を用いて、自動追尾飛行および自動撮影を行いました。

ドローンに搭載したセンサーで送電線との距離を測定することで、送電線から一定距離を保ったまま上空を自動で飛行し、鉄塔間の約200mを自動追尾飛行撮影することに成功しました。撮影した動画は、送電線が撮影視野内に収められており、送電線の小さな傷も判別できる鮮明さであることが確認されています。

今後の動き

今後は、電気が実際に流れている実用送電線での実証実験などを進め、ドローンによる巡視・点検サービスの実用化を目指していく方針としており、東芝デジタルソリューションズは、同社のAI技術を活用し、撮影された送電線の動画から異常個所を自動検出するサービスの実現にも現在取り組んでいます。

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