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パーソルプロセス&テクノロジーと広島県神石高原町でドローンを活用し災害対応の取り組みを開始!

総合人材サービス・パーソルグループのパーソルプロセス&テクノロジー株式会社と広島県神石高原町は、2021年度に自治体と町民によるドローンを活用した災害対応の実現に向けた取り組みを実施しています。その結果、迅速な初動対応や応急処置につなげるドローンを活用した災害状況の把握ならびに、その情報を関係者に共有する一連の流れ(「災害対応フロー」)を構築したことを2022年4月21日(木)に発表しました。また、同取り組みではドローン活用を担う人材の育成を行っており、今年度は神石高原町より、この災害対応フローを対応できる人材として新たに町民8名が担い手として認定されたことも同時に発表しています。

2019年から進むドローンによる“まち造り”、3ヵ年計画のうちの初年度として災害対応などを学習

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社は、人・プロセスデザイン・テクノロジーの力で、人と組織の生産性を高めることを使命とし、事業課題に応じたコンサルティングやシステム開発、アウトソーシングのほか、人とテクノロジーが共存できる社会を目指し、RPAやAIなどを駆使した最新のテクノロジーやサービスを提供しています。

神石高原町は、冷涼な気候を有する標高400m~600mの「高原のまち」です。北は庄原市、南は福山市、東は岡山県、西は府中市と接します。「高原」の豊かな土壌、澄んだ空気や水といった、おいしい作物が育つための条件をすべて満たした神石高原町では、トマト、こんにゃく芋、ニューピオーネ等の生産が盛んです。また、全国各地で評価の高い広島県産神石牛といった素材から加工食品まで、多くの産品がつくられています。

神石高原町では、「挑戦のまち」を合言葉に、誰もが挑戦できるまち造りを推進しており、町民が安心・安全に暮らせるまちづくりを実現するため、自治体と町民によるドローンを活用した町の課題解決を目指し、2019年10月にドローンコンソーシアムを設立、地域へドローンを根づかせるための様々な取り組みを行っています。災害時に町民によるドローンを活用した災害現場の撮影を行うことで、その撮影データから1枚のオルソ画像*を作成し、遠隔地にいる自治体に画像データとして共有を行う流れの構築を構想しています。オルソ画像を活用することで、災害情報を文字情報のみに頼らず、視覚的に把握できるようになるため、迅速な災害対応や応急処置の実現が進むとしています。

今回、結果を発表した取り組みは、内閣府が行う「地方創生推進交付金」と、広島県が行う「デジタル技術を活用した中山間地域の生活環境向上事業」から採択を受けて行われているもので、今年は3ヵ年計画のうちの初年度にあたるもの。今年度は、2021年7月から2022年3月にわたり、パーソルプロセス&テクノロジーが中心となり、災害対応フローの構築ならびに、町民自身が安全を確保して、ドローンを飛行させるノウハウや、災害時のドローン運航に関する講習を行いました。

*オルソ画像:国土地理院が撮影する、地図情報の作成・更新や災害発生時の被害状況の把握等を目的とした空中写真で、電子国土基本図とも呼ばれる。複数枚の静止画を重ね合わせて一枚の画像に生成しており、写された地物が位置も形状も正しく配置されることが特徴。

二つのフローで災害対応の体制を構築、法律やリスクなど導入準備も共有

今回行われた高周波、担い手が災害時に自治体から要請を受けて、ドローンを活用した災害対応が実施できる体制を構築するために、「災害対応フローの作成と実習」および、「ドローンを活用した災害対応に関する講習」の二つが実施されました。

◇「災害対応フローについて」

災害発生から、ドローンによる災害現場の撮影、オルソ画像の作成、共有データの確認に至る一連の流れを落とし込み、災害時に担い手が対応できる災害対応フローを作成。2022年2月、3月には、実際にドローンを飛行させて、自動航行機能を使った飛行訓練や災害対応フローの定着を促すための実習を行いました。担い手が監督者、パイロット、補助者どの役割においても動くことができるように、役割を変えて繰り返し訓練を行い災害対応フローの定着を目指しています。

◇「ドローンを活用した災害対応に関する講習について」

災害時の情報収集活動にドローンを活用するため、災害時の基礎知識・運用方法、およびシステムの操作習得を目的として講習を実施。災害時に対応するための心構えをはじめ、神石高原町が周囲を山に囲まれている立地であることから、風や地形図に関する講習、そしてチーム内での安全確保やシステムの操作訓練を行いました。また、ドローン実機を使用した仕様書のマニュアルに関する読み合わせを行い、低温でのバッテリー使用限界や、各種センサーの範囲等機体の理解も深めています。

講習に参加した担い手へ実施したアンケートでは、今年度の成果として理解度に関して4.25点(5点満点中)の結果となり、自動飛行がままならなかった状態から、担い手がそれぞれの役割(監督者、パイロット、補助者)を理解し、役場から要請が入ってから災害対応フローを自立して完遂できるレベルに到達することができたとしています。しかし一方で、操縦アプリやオルソ画像作成を行うソフトウェアの操作習得には時間がかかるといった意見もありました。こうした意見を通じてパーソルプロセス&テクノロジー株式会社と神石高原町では、担い手が実施している自主飛行訓練にも今回の訓練内容を取り入れるなど、スキルの習熟に関して担い手から積極的な自主提案に繋がっているとしています。

また、2019年度から神石高原町内で実施している担い手を増やす取り組みとして、担い手が不在の地域に新たに5名の町民に向けて法令順守および安全飛行に関する講習も実施されています。この講習では、ドローンにまつわる法律やリスクについて考え、ドローンを安心・安全に飛ばすための運用方法を学習しています。今回の講習は、講習を受けた5名の町民が、ドローンを災害時に活用していくことで、神石高原町内におけるより広域の災害対応が行えるようになるための導入準備として位置付けられています。

神石高原町に10名の担い手が誕生予定、今後は隣接地域でも応用可能な防災対策フローの構築も

神石高原町は「いつまでも安心して暮らせるまちづくり」を目指し、2019年10月1日にドローン技術を持つ企業や団体によるドローンコンソーシアムを立ち上げました。神石高原町は、人口に対して面積が広いため災害時の状況把握や物資の配送に課題を持っています。ドローンの活用により災害時の対応のみならず、橋梁の点検や農地、固定資産の確認などの省人化を図り、生活に関わる様々な課題の解決を期待しています。

パーソルプロセス&テクノロジー株式会社は神石高原町ドローンコンソーシアム立ち上げから参画し、ドローンの活用におけるノウハウやリソースの供給やプロセス設計の支援を行ってきています。また、2020年度にはコロナ禍の中、地域の担い手に対してドローンに関する知識向上のために、オンラインでの講習を行っています。

今後両者では、町全体にドローンを実装させていく担い手の拡大を行うことを予定しており、2022年度中には新たに10名の担い手を育成することを目標としています。また、災害分野において、神石高原町だけでなく、隣接している地域にも対応できるような対応フローを構築するとともに、広域の災害にも対応できるよう取り組みを推進していくとしています。

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