會澤高圧コンクリート、ドローンと観測衛星による精密避難支援システム「The Guardian」を開発

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ドローンプレThe Guardianス 

2022年6月21日、會澤高圧コンクリートは、ドローンと観測衛星が連携する精密避難支援システム「The Guardian(ザ・ガーディアン)」を、衛星データ処理を行う企業などと共同開発したことを発表しました。

住民のスマホにいち早く災害情報を。「The Guardian」とは?

 The Guardianは、南海トラフ地震や日本・千島海溝型地震による巨大津波、激甚化する豪雨災害に対する備えとして自治体向けに構築する、住民のスマホを対象にした精密避難支援システムです。

 観測衛星の各種データと、雨天時にもエンジンで長時間飛行が可能な同社の産業用ドローンを連携し、巨大地震発生時には海岸線上空からライブ中継を行い、河川氾濫の恐れがある場合はピンポイントで浸水被害を数十時間前に予測することで、住民に対していち早い避難行動を促します。

 同社は福島県浪江町の南産業団地に、次世代の研究開発製造の中核拠点となる「福島RDMセンター」を来春の竣工を目指し建設中で、浪江町と同社は2021年4月に同システムの実用化に向けて連携協定を締結し開発に着手しました。2024年春には同町を流れる請戸川河口付近においてシステム一式の初号機「Episode1:NAMIE」を社会実装するとしています。

 開発には、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の衛星データ処理を担うリモートセンシング技術センター(RESTEC)、エンジンドローン開発のアラセ・アイザワ・アエロスパシアル(AAA)のほか、ドローンの自律航行やピンポイントの浸水被害予測のデータ処理基盤となるSYNCWORLDエンジン(※1)を開発するため、デジタルクローンを開発するオルツ、ゲーム開発のハニカムラボなど複数の企業が参画しています。

※1 SYNCWORLDという「我々の住むこの空間で、フィジカルとデジタルの2視点での見え方がリアルタイムに重なり、同期(SYNC)し続ける世界」を実現させるための都市空間管理DAO(自律分散型組織)エンジン。生活している上で身の回りのあらゆる物体が地球上のどこの場所に置かれているのかという位置情報を管理する機能と、AIのディープラーニングなどで使う大量の演算能力を提供することができます。これらはブロックチェーン技術が使われ、この能力を提供するクラウド上のシステムとして稼働し、各社が開発するアプリケーションをつなげます。(會澤高圧コンクリート 2021年12月2日プレスリリースより)

「The Guardian」の5つの技術

ドローンプレス theguardian

 同システムは、5つの異なる技術を連携させて個人の緊急避難や計画避難に資する防災用のデータ価値を生み出す取り組みであり、主に巨大地震が引き起こす津波と、ゲリラ的な豪雨による河川氾濫の2つを対象としています。

1. 産業用無人航空機「G-1」(Engine Drone AZ-500)
2. 自律制御型格納庫「G-2」(Autonomous Drone Shelter / ADS)

 一定震度以上の地震が発生した場合、強風・降雨時にも飛行できる産業用無人航空機「G-1」(Engine Drone AZ-500)のエンジンが自動的に起動、耐震機能を備えたコンクリート製のドローンシェルター「G-2」(Autonomous Drone Shelter / ADS)から飛び立ち、自律航行しながら連続5時間にわたって海岸の映像を上空からスマホにライブ中継することで、住民に対して適切な避難行動を促します。

3. 地球観測衛星「G-3」(EOS)
4. 気象観測衛星「G-4」(Meteorology Satellite)
5. 分散自立型同期座標空間「G-5」(SYNCWORLD)

 一方、The Guardianは、地球観測衛星「G-3」(EOS)によって河川幅の経時変化を常に観測。同期型の電子座標軸であるSYNCWORLD「G-5」は、あらかじめ河川の堤体の詳細な地形データを含む対象エリア全域のデジタルツインを管理しており、これに最大51時間先の降雨量を1kmメッシュで把握する気象観測衛星「G-4」(Meteorology Satellite)からの精密なデータを統合して解析することができ、越水時間の予測や、「あなたが今いる場所は、数十時間後に〇センチまで水に浸かる」というパーソナルな予測を提供することが可能となります。

 洪水警報が出ても避難をせず、突然の浸水によって命を失うというケースが増えています。個々人に向けて発信されるパーソナルかつピンポイントの事前警報は、垂直避難を含む計画的な避難を住民に強く促すことになり、家財を安全な場所に一時退避させるなど財産の保全にもつながります。自治体職員にとっては、災害時に行っていた危険な巡回業務をなくすことができ、避難誘導業務も大幅に軽減することができます。

 同社は、The Guardianの第1弾を浪江町に社会実装するとともに、同システムの導入を隣接の自治体などに拡げながらネットワーク化を進めるとしています。

 なお、2022年6月29日~7月1日に東京ビッグサイトで開催される「第1回 地域防災EXPO」において、The Guardianのシステム概要と500ccエンジンを搭載した大型エンジンドローンを発表する予定です。

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