東洋製罐グループ、ドローンに脱着可能なスプレー缶噴射装置を発表

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

総合容器メーカーの東洋製罐グループホールディングス株式会社(以下東洋製罐)は12月15日、ドローンに着脱可能なロボット遠隔型スプレー噴射装置「SABOT for Drone」を発表した。当装置は同社がかねてより実施してきた、より豊かな社会の実現を目指すプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」の一環として開発された。同社によるとドローンに着脱可能な遠隔型のスプレー缶噴射装置は世界初となる。

「SABOT for Drone」は、ドローンに殺虫剤や塗料・農薬等が入ったスプレー缶を着脱することができ、遠隔操作で内容物を噴射することができるスプレー缶噴射装置だ。従来のドローンとは異なり、ホバリングした状態から上下左右に散布や噴射が可能で、さらにスプレー缶を取り換えるだけで噴射する内容物を簡単に変更することができる。

近年ドローンは点検や農業など、空撮以外の分野で活躍の場を増やしてきた。ドローンを活用することで、人が危険に晒される環境での作業を容易にし、人手不足解消にも今後より貢献するとみられている。創業100年を超える東洋製罐グループでは、次の100年を創造するべく、「OPEN UP! PROJECT」を2019年より始動、数々のプロジェクトを進行させている。多分野での活用が期待されるドローンに”容器”という側面から新たな付加価値を加えるべく、「SABOT for Drone」の開発プロジェクトは進められた。

東洋製罐が公開した写真によると、ドローンの機体はDJI社の産業用ドローン「Matrice210」が使用されている。ジンバル部分にスプレー缶のケースが搭載されており、そのケースへスプレー缶を挿入することでセッティングが完了するようだ。ケースからはノズルが出ており、カメラの横で固定されている。カメラを動かすことで内容物の噴射方向を調整できるようだ。

製品の主な特徴としては、以下3点となる。

1.上下左右に安定的かつ精度良く散布・噴射が可能
本製品は、ノズル部分が上下左右に可動するため、操縦者の思い通りの方向に缶の内容物を噴射できるように設計されています。ノズル周辺にはカメラや対象物との距離センサを備えており、噴射精度や安全性を高めます。また、インターフェースは利用者目線に立った開発を行い、使い勝手が良く自由自在な操作を実現しています。

2.缶の交換により、防錆剤の噴射や蛍光塗料でのマーキング等、様々な用途で利用可能
作業中に内容物が無くなってしまった場合や、利用用途により内容物の切り替えが必要な場合でも、缶や配管を含めたノズルごと簡単に交換可能です。缶の内容物を変えることで、洗浄剤で対象物の汚れを落とした後、直ぐに塗料でマーキングしたり、足場作業が必要なほど進行していないサビの補修箇所に対し、ドローンから防サビ剤を使用し初期段階からサビの発生を防止するといった保全作業など、実際の作業現場を想定した様々な使い方が可能です。

3.容器、スプレー缶充填製造メーカーだからこそ可能な安全・安心の提供
装着する缶には、主に殺虫剤や、塗料、室内消臭剤、頭髪用品等で使用されるスプレー(エアゾール)缶を採用。創業100年で培ってきた東洋製罐グループの技術力とノウハウにより、容器を含めた装置全体の安全性や、安定噴射が可能な処方やノズル等の開発を実施することで、安心してお使い頂ける仕様を提供しています。

価格や購入方法など、販売に関する情報は12月15日現在、発表されていない。

「OPEN UP! PROJECT」SABOT for Drone紹介ページ:https://jp.open-up.tskg-hd.com/ideas/sabot/

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コメントを残す

*