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空撮画像で野菜の収穫量予測が可能、NTT西日本と愛媛大学が実証実験を開始

NTT西日本と愛媛大学は、ドローンで撮影した画像から野菜の生育状態を可視化して収穫量を予測するシステムの事業化することを発表しました。まずは岡山県のレタス農場と共同で実証実験を開始し、2022年度の事業化を目指すということです。生産者が作物の形状などから感覚的に判断していた生育状態をデータで「見える化」し、農業生産現場の効率化につなげます。

気温と降雨量を組み合わせた天候データを利用

NTT西日本と愛媛大学、レタス生産の青空(岡山市)は6月、岡山県真庭市のレタス畑上空でドローンを飛ばし、実証実験を始めました。撮影した画像は、愛媛大学が持つ独自のアルゴリズムを使った、レタスの生育状態の解析に使用されます。解析したデータを気温や降雨量といった天候データなどと組み合わせて、早期に収穫量を予測するシステムの構築を目指します。現在は今春の実験データを基に、今秋の栽培に向けて画像の撮影・分析手法のノウハウの蓄積を図っています。

「見える化」とは?

愛媛大学の解析技術は、葉に含まれる葉緑素の量を示す指標を使って作物の生育状態を調べる手法を応用しています。葉に当てて1枚ごとに計測する既存の機器と異なり、カメラで撮影した画像から広範囲の作物の生育状態を効率的に解析できるのが強みです。
作物の生育状態が区域ごとに細かく把握できれば、肥料量を調整するなどして品質のばらつきを抑えられるほか、収穫量も予測しやすくなります。
青空はレタスなどの野菜を契約栽培していますが、レタスは出荷直前まで収穫量の判断が難しいといいます。
特に「豊作時の契約余剰分の販売先に困っていた」(石原大介社長)とコメント。早い段階で収穫量が把握できれば、販売先を事前に確保して生産者の収益を増やし、農場での廃棄も減らせるとみています。

青空では年間に約450トンのレタスを出荷しますが、出荷量は年々増加しているといい、将来は550トンの出荷を目指します。収穫量の変動幅は拡大する可能性が高いものの、生産者は野菜の生育状態を形状や色から感覚的に判断していたため、事前に収穫量を把握できる意義について「データに基づいて対応できれば収穫量の増加にもつながる」(石原社長)と期待しています。

愛媛大学の羽藤堅治教授は「事業化できれば、高価なドローンでデータを得るためのコストを下げられる」と話します。
羽藤教授は愛媛県内でもキャベツやタマネギで同様の実証実験を進めており、作物ごとに葉に含まれる成分が異なるため、他の作物でもデータを集めて同大の解析技術を普及させたい考えです。

分断されていた情報をドローンで一つに

NTT西日本の担当者は「農業では生産から物流、加工、販売に至るまでの情報が分断されている」と指摘し、同社はそれぞれをデータで「見える化」してつなぐことで生産性の向上につながるとみています。
今回の実証実験もその一環で、今後もテーマごとに実証実験を積み重ね、22~24年度に農業のバリューチェーン全体をつなぐ事業を段階的に具体化させていきたい考えです。
国内の農業現場では農家の高齢化が顕著で、就業者の減少も進んでいます。農林水産省によると、2000年に312万戸だった総農家数は2020年には174万7千戸まで減少しました。
生産量を維持するためには生産現場の効率化が急務となっています。

農業への就業者が減少する中、ドローンを使って生産効率も上げられることで農業全体を救うためにも、ドローンに関する法整備も早急に整える必要がありそうですね。

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