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ローソンファーム新潟で農業用ドローン実証実験

株式会社ローソンと特例農業法人ローソンファーム新潟は、大規模農業の改革拠点として国家戦略特別区域に指定されている新潟市と、農業用ドローンの取り扱いと操縦教習所を展開する新潟クボタと連携し、農業用ドローンによる水稲の薬剤散布の実証実験を開始しています。

ローソンファームとは

ローソンファームは“北は北海道から南は鹿児島まで、生産者の顔が見える野菜を皆様にお届けするための農場”をコンセプトに、安全・安心で高品質な新鮮野菜や果物をローソングループの店舗に安定的に供給する農場で、現在全国23か所で展開されています。

ローソンファーム新潟

ローソンファーム新潟は、2015年3月に新潟市の特例農業法人第一号として設立された、設立から3年目の農場です。稲作作業の省力化と農地集約による大規模農業を目指しており、同5月より新潟市と連携して、水田の環境を自動で測定する「水田センサ」と、クラウド型の「水田管理システム」を導入するなど、ICT農業の取り組みを進めてきました。

実証実験の目的

今回の実証実験では、ローソンファーム新潟の目指す農地集約による大規模農業を見据え、水稲病害虫防除のための薬剤散布に、農業用ドローンを使用しています。使用されたドローンは1ha(ヘクタール)当たりの圃場に農薬散布するのに、人力であれば少なくとも1時間以上はかかるところ、農業用ドローンの利用では、約10分で農薬を散布することができるため、大幅な省力化が可能となります。また、昨年までは、カメムシの防除を農業共済組合に委託し共同で行っており、ホースを引っ張るなどの労力が必要で作業時間は20~30分かかっていたが、ドローンだと歩かずに3分余りで済んでしまいます。

ローソンは新潟市と連携して、新潟ブランドの米・農産物の生産効率及び付加価値の向上を目指し、地域の活性化と農業の発展を推進していき、今後は全国23か所のローソンファームでも、ICTを活用した生産性向上を目指し、地域の農業の発展に貢献していく方針です。

Mulsan DAX04(マルサンダックス04)

今回の実証実験に使用されているドローンは、TEAD株式会社が販売・開発を行う「Mulsan DAX04」。一般社団法人農林水産航空協会からの認定を受けている機体です。性能は以下の通り。

ドローン×農業

従来の産業用無人ヘリコプターは機体のサイズが大きく、ガソリンエンジンで飛行するため騒音も大きく、何より操縦が熟練のパイロットでないと行えないほど難しいという点がネックでした。しかし、ドローンであれば、それらの問題を全て解決した上に、コストも格段に下げることができます

これまで農薬散布は高額な大型ラジコンヘリを自治体などに依頼するか、自ら田畑に入って散布するしかありませんでしたが、ドローンであれば自分で簡単に飛ばすことができ、広大な耕作地に短時間で散布することができます。

また、最近ではドローンを農薬散布だけではなく、生育調査に活用する動きも活発になりつつあります。近い将来、近赤外線カメラを搭載したドローンで撮影した圃場のデータをAIが自動で解析し、そのデータを基に同じドローンが完全自律飛行で農薬散布を行うという時代がやってくるでしょう。その他の農機も自動化され、全ての機械がクラウドで繋がってしまえば、人の負担は格段に減ります。

日本は今後、更なる少子高齢化で農業従事者が減っていく一方ですが、ドローンのような技術を積極的に取り入れ、一人辺りが管理できる面積を広げていくことで、食料自給率を維持、もしくは向上させることが可能かもしれません。

 

画像掲載元:

TEAD

ローソン研究所

LAWSON

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