アインHD、ドローンによる処方薬の配送実証実験を実施

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調剤薬局大手のアインホールディングスは7月10日、経済産業省などの協力のもと、オンライン診療・オンライン服薬指導と連動した、ドローンによる処方箋医薬品の低温配送での非対面医療実証実験を実施することを発表した。当一連の内容の実証実験は国内初の試みとなる。

今回の実証実験は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、治療が必要な人が通院、病院での待ち時間、診療、医薬品の処方、帰宅という過程で、感染リスクが高まるという課題を解決することをテーマに掲げている。同時に医療従事者や医薬品配送者の不足や、医療機関への通院手段の不便といった患者の医療アクセスという、近年、顕在化している課題の解決も見据えたものだ。

実証実験では「処方箋医療品」をテーマに医師・薬局薬剤師の参加・協力のもと、医療分野における実際の活用を想定し、以下シナリオにて実証を行う。

①旭川医科大学のオンライン診療による処方箋に基づき、アイン薬局旭川医大店にて、薬局薬剤師がオンライン服薬指導のデモを実施する
②アイン薬局旭川医大店から緑が丘あさひ園までの間でドローンによる処方箋医薬品配送を実施する
③緑が丘あさひ園に到着後、配送した処方箋医薬品の品質・状態をオンラインで確認する

事業者・機関・自治体役割
株式会社アインホールディングス オンライン服薬指導、配送対象物(医療関連)の提供
経済産業省 北海道経済産業局事業主体
北海道旭川市実証実験協力
国立大学法人旭川医科大学オンライン診療
ANAホールディングス株式会社事業取りまとめ、ドローン運航
エアロセンス株式会社ドローンおよび技術者の提供、運用・技術指導支援
トッパン・フォームズ株式会社温度管理サービスの提供(医薬品保冷ボックス、温度ロガー等)
特別養護老人ホーム緑が丘あさひ園実証実験協力
株式会社日通総合研究所事業支援

当日は遠隔会議システムのズームを使い、旭川医大の医師と調剤薬局大手アインホールディングスの薬剤師が500メートルほど離れた場所にある老人ホームの患者に診療し、服薬も指導。食欲や薬の服用方法などを確認したうえで処方された医薬品をANAホールディングスのドローンチームが患者に届けた。ドローンが実際に飛んだ時間は約4分間。公道の横断にもトラブルは起きなかった。

北海道経産局では医療体制や物流網の維持を目的に産業ドローンの活用に向けた産官学の連携を呼びかけている。安藤保彦局長は「他の地域に先駆け、産業ドローンの実用化をいち早く実現したい」と積極的に実績を積み重ねる考えを示した。

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