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ドローン充電システム業界のリーダーSkysense社とは

近年のドローン業界は、世界ナンバーワンの機体メーカーDJI社を筆頭に、機体販売で世界を凌駕している中国と、様々なビジネス業界にドローンを役立てるための最新技術を持った企業から、世界の動向に目を光らせている投資家まで、ドローン業界に参入することを誰もが望む流れとなっているアメリカが牽引してきました。

そんな中、ドイツのベルリンに拠点を置くSkysense社は、自律型ドローンチャージングソリューションにより、ヨーロッパに有益なドローンマーケットを導入することに成功しています。 Andrea Puiatti氏が率いる同社は、ドローンの充電システム「スカイポート」や、ドローンをチャージングシステム付きのドローンで充電するなどの隙間を狙った事業を展開しています。

ドローン業界が抱える問題点

現在、ほとんどのドローンは、離陸してから充電が必要となるまで、20〜30分間しか操作することができません。より大きく重いドローンはたくさんのバッテリーを消費し、より頻繁に充電する必要があります。また自然的要因、たとえば風が強い日などもバッテリーの電力を消費します。着陸させた後は、ドローンのオペレーターが手動でドローンのバッテリーを取り外し、充電器につなぐ必要があります。離れた場所や電源から遠ざかってしまうと、これは非常に致命的な問題となるのです。

課題を解決するスカイセンスの技術

Skysenseは、急速で充電でき、軽量で使いやすいドローンチャージングステーションでこの状況を打開しようとしています。そうすることによってオペレーターが電池が無くなるたびにドローンから電池を取り外すという煩雑なプロセスが不要になるのです。充電パッドにドローンを着地させる(ドローンが接触する箇所はどこでもOK)、充電が満タンになるまで待ちます。充電時間はバッテリーの種類とサイズによって異なりますが、Skysenseは最大20Ah、平均搭載重量が50g(1.8oz)のドローンを充電することができます。

チャージングマーケットのリーダーに

商業用ドローンがまだ趣味の延長線上レベルだった2014年、ドローンが大好きだったPuiatti氏はSkysenseを設立しました。

しかし、ヨーロッパの市場がアメリカほどドローン産業を深く理解していなかったため、カリフォルニアで多くのドローン企業や新興企業との接触を試みました。まもなく、GoogleX、NASA Jet Propulsion Laboratory、米国中央情報局(CIS)などの組織がSkysenseのもとへ続々と訪れるようになり、QUALCOMM VenturesとTechstarsからの資金調達、さらにNASAのWorldWind Europa Challengeでは2016年に優勝を勝ち取るなど、順調にドローン業界でのポジションを獲得し、チャージングマーケットのリーダーになりつつあります。

現在、Skysenseは屋内充電パッド屋外充電パッド、そして過酷な環境からドローンを保管し保護するために設計された完全自律型のドローン格納庫の3つの主力商品をメインとして販売しており、世界中から依頼を受けています。日本国内でもKDDIが推進する、長距離を人の操縦なしに自律飛行する「スマートドローン構想」でSkysenseの技術は既に使われています。

今世界中で、配送、インフラの点検、監視システム、建設現場の管理システムなど、ドローンを活用した新しいサービスを作るべく実証実験が行われています。それらはどれも最終的には、人が介在しない自律飛行によるサービスを目指しているため、共通してバッテリーの持ち、充電方法の課題を抱えています。それは、Skysenseのチャージング技術は、今後のドローン業界に無くてはならない技術であり、業種を問わずドローンを活用するサービスであれば必要とされる存在だということを意味しているため、これから先のSkysenseの動向には更に注目が集まるでしょう。

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