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SMD、ドローンによる高速道路監視ソリューションを発表

中国深圳に拠点を置く産業用UAVアプリケーションプロバイダーのShenzhen Smart Drone UAV社(以下SMD)は2020年3月27日、ドローンによる高速道路監視ソリューションを発表した。

近年、中国では自動車の増加に伴い高速道路の建設が盛んに進められ、昨年15万kmもの総距離に達した。高速道路が拡大されたことで、従来の固定ビデオ監視システムだけでは全区間をカバー出来ない、撮影しきれない箇所(死角)が発生する、また人的・物的コストが高まる等の問題が発生し、交通違反の取り締まりや交通トラブル把握などの管理が困難となった。そこで検討されていたのがドローンの導入である。ドローンは機動性が強く、広い視野が確保できるため、固定ビデオ監視システムの欠点を補い、人的・物的コストの低いスマートな交通管理が実現可能と考えられた。

SMDの開発チームは2020年の春節の前夜、浙江省嘉興市にて地元の交通管理局と協力し、高速道路や周辺サービスエリアにおける交通パトロール、道路管理タスクを実行・調査した。

Lingyun ⅡSによる効率的な作業

高速道路において自動車の走行距離は長く速度は早いため、ドローンは広範囲かつ長時間の飛行、また安定した高解像度画像の撮影が求めれている。特に料金所やサービスエリア付近は渋滞や事故が頻発するため、その情報をいち早く地上の管制局へ共有する必要がある。

作業にはSMDが開発した全天候型ドローン「Lingyun ⅡS」が選ばれた。当ドローンはナイトビジョン機能を備えた30倍工学ズームカメラと音声スピーカーが搭載されている。死角が発生することを回避でき、道路や車両の詳細を正確に捉えることができるため、当作業において高い適正をもつ。

実際の作業では35分以上の飛行時間、最大15キロの飛行距離を実現し、交通当局から高く評価された。

様々なシーンでの活用

高速道路の交通状況は複雑であるため、パトロールしたり固定ビデオ監視システムを活用して違法車両を摘発するのは効率が悪い。「Lingyun ⅡS」はより便利で機敏性があり様々の状況に応用が効くため、警察車両が対処できないエリアでも素早く駆けつけ撮影し、画像データを収集する。

道路監視

交通管理局は「Lingyun ⅡS」を使用して、パトロール、地形調査、バリケードや落石などの障害物探知など、固定カメラでは死角となってしまう部分までをカバーし、高速道路上の危険を排除する。

交通監視

「Lingyun Ⅱ S」は、高速道路や周辺サービスエリアの全体的な運行状況を昼夜いつでも確認する。地上管制局へのビデオ画像のリアルタイム送信、30倍ズーム機能による部分拡大、正確なターゲット識別、霧などの視界低下条件下での路面状態の取得、交通違反の証拠取得など、検査作業を行う。

交通誘導

交通渋滞、交通事故、その他の緊急事態が発生した際に即時現地へ向かい、現場の状況映像をリアルタイムで管理室に送信する。また警察はドローンに搭載されているスピーカーを通して、車両に対する交通誘導指示を与えることができる。

違反車両の追跡撮影

違法駐車や車線変更などの交通違反がドローンから遠距離の場所で行われていたとしても、ナンバープレート情報とドライバーの外見を30倍ズームで正確に撮影する。夜間においても同じく遠距離からの撮影が可能で、車両と接触する危険性を回避した状態で、パトロールを行うことができる。

5G通信計画

現在は4G通信で運用されているが将来的には5G通信対応を計画しており、遅延の少ない高解像度のリアルタイムデータ伝送、精密リモート操作が実現されることで、交通管理プロセスをより効率的なものとする。

ドローン監視をより一般的に

上空のドローンと地上の交通管理局が協力し”空地一体”のパトロール活動を実現することで、パトロール範囲の拡大や違反車両の摘発、緊急事態時の対応などの面で大きな利点を有することになる。高速道路を24時間全区間において監視することができ、パトロールの効率向上において、警察から高い評価を得た。同社は今後もドローンに関する研究開発を続け、交通パトロールにおけるドローンの利用シーンを増やしたいとしている。

SMDの「Lingyun IIS」や「V380」、またその他のモデルは今まで注目されていた物資輸送の用途以外に災害救助やパンデミックの抑制、およびほかの分野にも活用することができる。これらのドローンには音声スピーカー、群衆(人流)誘導、遠隔温度計測、緊急物資輸送、物資投下などの機能が搭載されており、新型コロナウイルス感染症禍で重要とされる”接触回避”を促進させるものとみられている。SMDは中国政府の新型コロナウイルス感染拡大防止の試みをサポートする。

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