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佐賀、産官学6者でドローンやAIを活用した「ノリ養殖」

佐賀県、 佐賀大学、佐賀県有明海漁業協同組合、農林中央金庫、NTTドコモ、オプティムは、佐賀有明海域における主要産業である「ノリ養殖」において、ドローン・ICTブイ・AI等を活用した、第4次産業革命型水産業の実現に向け、6者間連携協定を締結しました。

6者間連携協定の背景

佐賀県のノリ養殖販売額は国内全体の約25%を占め、13年間連続1位を誇り、佐賀海苔としてブランド力を有しています。しかし、近年は有明海域におけるアカグサレ病等の病害や、赤潮による色落ちに悩まされています

これまでノリの管理は、広い漁場を一区画54m×36mで平均10区画~30区画に整理をし、船通しや潮通しと呼ばれる水路を作って潮の流れを確保する「集団管理方式」を徹底してきました。しかし、広大な漁場の管理作業や品質管理には作業負荷が掛かっていました

そこで行政、大学、漁協、金融、通信、ITの6者が連携し、LPWA※1・セルラー通信機能搭載固定翼型ドローン「オプティムホーク」や、ICTブイ※2といった最新のIoT機器を活用し、AIを用いて得られた情報を解析することにより、収量の向上、海苔漁家の作業負担軽減や所得向上を目指しています。

※1 LPWA:Low Power Wide Areaの略、少ない消費電力で、数キロ単位の距離を通信できる無線通信技術の総称。

※2 ICTブイ:通信モジュールとセンサーを搭載しており、取得するデーターをクラウドサーバーへ送信する仕組みを持つ、係船や航路標識のための浮標。

今後のIoTを活用した実証実験概要

病害対策

ICTブイが取得したセンサーデータ、ドローンが取得した空撮画像をビッグデータとして「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積・管理し、AIを用いてこれらを解析することで、秋芽網期のノリに発生しやすいアカグサレ病をはじめとする各種病害の発生しやすい状況をより早く検知し、この情報を漁業関係者へ早期案内を行う。

赤潮対策

ドローンが取得した空撮画像を「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積し、赤潮発生箇所をマップ化することで、赤潮の広域的な発生状況を漁業関係者へ早期案内し、対策に繋げる。また、ICTブイが取得した水質データを「OPTiM Cloud IoT OS」上に蓄積し、AIを用いて赤潮の発生状況と水質データの因果関係も分析。

カモ被害、バリカン症対策

「バリカン症」という、養殖中のノリの葉体が1cm前後を残して消失してしまうが症状が問題となっており、原因とされるカモの食害と、水あたりによる生理障害への対策が必要となっている。カモを追い払う対策としては、ドローンや音、エサなどを用いた対策を行っていき、水あたりへの対策はICTブイから取得されたセンサーデータから、海水の塩分濃度などの環境状況を分析し、発生する条件などの調査を行う。

6者それぞれの役割

◆佐賀県

  • ノリ養殖に関する実用的知見・ノウハウの提供
  • ノリ養殖現場での実証実験サポート
  • ノリ養殖における試験研究等の学術的なアドバイス

◆国立大学法人佐賀大学

  • ノリ養殖に携わる研究者の育成
  • ノリ養殖の最適化のためのセンサリング、およびモニタリングの技術開発
  • ノリの機能性における高度解析の研究、および産業化

◆佐賀有明海漁協

  • 実証実験のフィールド提供
  • ノリ養殖におけるIoT活用に向けた生産者との情報共有、勉強会の実施等

◆農林中央金庫(愛称:JFマリンバンク)

  • 系統組織を通じた漁業金融機能の提供の検討
  • ビジネスマッチングを通じた企業と生産者との連携強化のサポート

◆株式会社NTTドコモ

  • 無線通信環境の提供
  • 海水温および比重センサ(ICTブイ)の提供

◆株式会社オプティム

  • IoTプラットフォームの提供
  • ドローンおよびAI等の先進テクノロジー提供
  • 知財戦略・ノウハウの提供
  • IoTに精通した人材の提供

 

画像掲載元・引用情報元:オプティム(プレスリリース) http://www.optim.co.jp/news-detail/21306

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