
日立製作所(以下、日立)が、Nokia(ノキア)の一部門であるNokia ECEの提供するドローンソリューション「Nokia Drone Networks」の販売契約を2026年8月25日に締結し、国内で初めて販売権を取得した。 このソリューションは、ドローン*1本体に加えて、自動で離着陸・充電ができる専用ステーション「ドローンポート*2」、そしてそれらを動かすソフトウェアで構成されている。今回の契約により日立は、現地に操縦者が立ち会わなくても無人で安定して飛ばせる体制を強化し、インフラ点検や災害対応の場面での活用拡大を後押ししていく。 日立はこれまでも、電力設備をはじめとする社会インフラの点検や災害対応の分野で、飛行計画の調整や運用状況の把握をサポートする独自の運航管理システム*3を用いたドローンソリューションを提供してきた。今回、自動離着陸に対応したドローンポートと一体で運用できるNokia Drone Networksをラインアップに加えたことで、無人での安定運用がこれまで以上に実現しやすくなる。 なお、Nokia ECEはすでに欧州・北米での展開を進めており、ベルギー王国では全土70か所にNokia Drone Networksを導入しているほか、アメリカ合衆国では警察・消防・救急といった初動対応の現場向けに導入を広げている。
*1 Nokia ECEの提供するドローンは産業・パブリックセーフティ分野向けに設計されており、ドローンポートや通信機能を強みとしている。自律的な離陸から、業務完了後の帰還・充電まで自動化しており、特に遠隔地での運用に適している。
*2 ドローンの自動離発着、充電ができる専用ステーション。
*3 ドローンを安全に運航させるために必要な飛行空域の利用計画調整、適切な運用状況の把握、有人機を含めた運航リスクの把握をサポートするシステム。
市場背景
近年、社会インフラの老朽化と、現場を支える人手不足を背景に、点検・保守業務の効率化や省人化が求められている。特に送配電設備・変電所・プラントといったインフラ施設では、敷地が広く高所での作業も多いため、フロントラインワーカーが現地へ出向く負担や安全確保が大きな課題となっている。さらに地震や台風・水害などの自然災害が起きた際には、被害状況を迅速に把握する必要があるが、人が立ち入りにくい場所や二次災害のリスクがある場所での情報収集手段が課題となっていた。国民の生命・財産・暮らしを守る「防災・国土強靭化」は政府の戦略17分野*4のひとつにも位置づけられており、インフラ維持や災害対応の強化はますます重要性を増している。 こうした背景から、ドローンを活用した点検や監視への期待は高まっている。ただし実際の運用では、操縦者の立ち会いを前提とした運用や、通信環境への不安、導入後のデータ管理・活用まで見据えた体制づくりが障壁になるケースもあった。 このため、自動飛行・遠隔運用を前提として通信の信頼性を確保しつつ、インフラ点検業務に適した形で使えるドローンソリューションへのニーズが、一層高まっている。
*4 内閣官房Webページ:戦略17分野における「主要な製品・技術等」
本取り組みの強み
1.ドローンポートと高い耐環境性能・安定した通信により、自動飛行・遠隔運用を実現
Nokia Drone Networksは、ドローン本体と、自動で離着陸・充電ができる専用ステーション「ドローンポート」で構成されている。この2つを組み合わせることで、ドローンを現地に常時待機させておき、遠隔から無人で飛行させる運用が可能になる。また強風や寒さといった厳しい環境でも長時間飛行できる耐環境性能を備えているほか、LTE*5(携帯電話網を使った通信方式)とSIM*6カード2枚を用いることで、片方の通信が途切れてももう一方でつながり続けられ、安定した制御・監視を実現している。さらにエッジクラウドや地上管制ステーション、パラシュート、2方向を同時に撮影できるデュアルジンバルカメラを搭載しており、安全な運用と点検業務の高度化を後押しする。

Nokia Drone Networks のドローン(写真提供:Nokia ECE)

Nokia Drone Networks のドローンポート(写真提供:Nokia ECE)
*5 携帯電話網を利用した通信方式。SIMを用いることで、広範囲で安定した通信環境を確保できる。
*6 電話番号や契約者情報を記録した小型のICカード。
2.インフラ点検や災害対応の効率化と安全性向上に貢献
日立はNokia Drone Networksと運航管理システムを組み合わせ、業務内容や点検対象に応じた運用設計の検討から、取得した映像・データの管理・分析までを含めたドローンソリューションとして提供する。これにより、広大な敷地や高所を対象とした定期点検において、フロントラインワーカーが現地へ出向くことなく、あらかじめ設定した時刻に遠隔から巡回・点検を行えるようになる。また災害発生時には、消防関係者の到着に時間がかかる離島・山間部や、二次災害のリスクがある場所でも遠隔操作でドローンを飛行させられるため、自治体や消防機関による被災状況・インフラ設備の状態把握を迅速に支援できる。運航管理システムを活用した飛行計画の調整やリスク管理により、事故の未然防止や運航品質の向上にもつながる。
3.PoCから業務適用、データ活用までを一貫して支援
日立のドローンソリューションは、小規模な実証実験(PoC)から段階的に導入できるため、効果を検証しながら無理なく本格運用へ移行できる。さらに取得データをクラウド上で一元管理することで、複数拠点間での情報共有やデータの二次利用がしやすくなり、業務を横断したさらなる活用も後押しする。
今後の取り組み
日立は今後、このパートナーシップのもとでNokia Drone Networksを用いたソリューション展開を推進し、インフラ点検・保守業務・災害対応をはじめとしたドローンの活用拡大をめざす。自動飛行・遠隔運用が可能なドローンの特長を生かし、さまざまな分野で現場の業務特性に応じた導入を進めていく方針だ。 さらに、顧客のニーズや活用シーンを踏まえ、技術開発やパートナー企業との協創を通じてソリューションの高度化や対象分野の拡大を図り、ドローンを活用したフロントラインワーカーの業務効率化と安全性向上に貢献していく考えである。
日立のドローンソリューションとは
https://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/app/drone/
◾️Nokiaについて
Nokiaは、世界をリードするネットワーク技術プロバイダーである。新たなAI時代の実現に貢献し、人・デバイス・インテリジェンスをつなぐ次世代のネットワークの開発に取り組んでいる。Nokiaのネットワークソリューションは、固定・モバイルネットワークに加え、IPネットワーク、光ネットワーク、コアネットワーク、データセンターネットワークまで幅広く展開している。またセキュアでAIネイティブなネットワークインフラにより、グローバル規模でのAIの適用・活用を可能にしている。詳細は https://www.nokia.com/ja_jp/ を参照。
◾️日立製作所について
日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダーをめざしている。環境・幸福・経済成長が調和する「ハーモナイズドソサエティ」の実現に貢献することを目指す。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットを加えた体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアにデータから価値を創出することで、顧客と社会の課題解決に取り組んでいる。2025年度(2026年3月期)の売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁する。詳細は www.hitachi.com/ja-jp/ を参照。
◾️お問い合わせ先
株式会社日立製作所 公共システム営業統括本部 カスタマ・リレーションズセンタ(担当:丹羽、森下)
https://www.hitachi.co.jp/public-it-inq/











