東陽テクニカ、空飛ぶクルマ「SKYDRIVE」の風速・風向計測を実証

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株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役 社長執行役員:高野俊也)、株式会社ながれ技術研究所(本社:北海道旭川市、代表取締役:稲積慧)、ストラト・ビジョン合同会社(本社:福岡県北九州市、代表:河野紘基)は2026年8月、空飛ぶクルマ※1(eVTOL)※2の離着陸時に発生するダウンウォッシュ(下降気流)の計測技術実証を共同で実施した。
実証では、ドローン関連サービスを手掛ける株式会社SkyDrive(本社:愛知県豊田市、代表取締役CEO:福澤知浩)の協力のもと、同社が開発を進める「SKYDRIVE(SkyDrive式SD-05型)」を使用した。
今回の取り組みは、離着陸拠点となるバーティポート(Vポート)の建設や都市部での安全な運航に必要となる風況データの取得を目的としたものだ。離着陸時に発生するダウンウォッシュの風速・風向などを計測することで、運航環境における風の影響を把握し、今後の安全な運航やバーティポート整備に向けたデータ活用を目指す。
3社は今回の実証を通じて、社会実装に必要となる風況計測技術の検証を進めた。

実機によるダウンウォッシュ計測の背景

SkyDriveは、「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに掲げ、日常の移動に空を活用する未来の実現に向け、「SKYDRIVE」の開発を進めている。2025年の大阪・関西万博や大阪港バーティポート、2026年2月の東京ビッグサイトなどでデモフライトを実施し、2028年の事業開始に向けた取り組みを進めている。
東陽テクニカは2022年12月にSkyDriveとサポーター契約を締結。これまで計測事業で培ってきた知見や技術を活用し、安全性や耐久性の向上に向けた支援を行っている。
社会実装に向けては、機体開発やデモフライトだけでなく、離着陸拠点となるバーティポートの整備も重要となる。特に都市部のビル屋上などにVポートを設置する場合、機体のローターが発生させる強い下降気流(ダウンウォッシュ)が周囲の建造物や地上に与える影響を把握する必要がある。
また、都市部を飛行する際には、ダウンウォッシュがビル壁面などに当たることで、機体の挙動に影響を及ぼす可能性もある。そのため、ダウンウォッシュの風速や風向に関するデータは、安全な運航ルートの検討や機体開発、バーティポートの設計において重要な情報となる。
一方、これまで実機を用いてダウンウォッシュを計測したデータは限られており、シミュレーションによる評価が中心となっていた。そこで今回、実機「SKYDRIVE」を使用し、離着陸時に発生するダウンウォッシュの計測技術実証を実施した。

4地点に超音波風速計を設置しダウンウォッシュを計測

今回の計測技術実証では、ながれ技術研究所の監修のもと、ストラト・ビジョンが開発・販売する超音波風速計を使用した。離着陸エリアの安全区域外に4台の超音波風速計を設置し、「SKYDRIVE」の離着陸時に発生するダウンウォッシュの風速・風向を計測した。
使用した超音波風速計は、風洞試験によって計測精度が検証されているほか、外部機器との有線・無線接続を必要とせず、単体で風速・風向の計測と記録が可能である。これにより、飛行試験への影響を抑えながら、実機によるダウンウォッシュのデータ取得を行った。
今後、東陽テクニカは今回取得した実証データを分析するとともに、計測データを可視化する専用ソフトウェアの開発も視野に入れている。ダウンウォッシュの計測・分析を通じて、空飛ぶクルマの安全な運航やバーティポートの整備に向けた技術開発を進める。

 

ドローンプレス_スカイドライブ_東陽テクニカ

計測技術実証に使用した超音波風速計

エアモビリティの安全性・耐久性評価を幅広く支援

東陽テクニカは、eVTOL(電動垂直離着陸機)や空飛ぶクルマなどのエアモビリティを対象に、安全性や耐久性の評価に関するさまざまな計測・試験ソリューションを提供している。
SkyDriveとのサポーター契約※3に基づく取り組みでは、東陽テクニカが設計から構築まで携わった「電動推進システム評価ベンチ(eVTOL用アイアンバード)」を含む統合評価ベンチ装置を整備し、安全性の向上に向けた評価試験を支援している。また、耐久性能の評価に必要となる耐久風洞設備も構築した。
さらに、実証機を使用した全機試験※4では、試験計画の策定やリスク評価、各種ドキュメントの作成から、実際の試験実施まで人的支援を行っている。
このほか、海外パートナーとの試験アライアンスの構築や、試験管理ツールの独自開発にも取り組んでいる。欧米の技術や知見も取り入れながら、国内におけるエアモビリティ試験の技術向上を目指し、試験設備の構築に加えて試験支援サービスの事業化も進めている。
エアモビリティ評価ソリューション
東陽テクニカは、エアモビリティの開発・実用化に必要となる各種評価試験を支援している。
https://www.toyo.co.jp/lp/airmobility/

※1 空飛ぶクルマ:電動化や自動化などの航空技術、垂直離着陸といった運航形態によって実現される、利用しやすく持続可能な次世代の空の移動手段。諸外国ではAdvanced Air Mobility(AAM)やUrban Air Mobility(UAM)などと呼ばれている。
引用元:国土交通省(2026年3月)
https://www.mlit.go.jp/koku/content/001994084.pdf
※2 eVTOL:電動垂直離着陸機。Electric Vertical Take-Off and Landing aircraftの略称で、空飛ぶクルマやマルチコプターなどが含まれる。
※3 サポーター契約:SkyDriveが、契約企業から部品割引や工数提供などの支援を受けながら、空の産業革命をともに創造していくことを目的としたプログラム。
※4 全機試験:航空機の開発・運用において、安全性や性能を確認するために実施する試験の総称。機体の強度・耐久性、操縦性、安定性などを確認し、安全基準を満たして実際の運航に耐えられることを検証する重要なプロセス。

参画企業の概要

◾️株式会社SkyDrive
株式会社SkyDriveは、「100年に一度のモビリティ革命を牽引する」をミッションに掲げ、「日常の移動に空を活用する」未来の実現を目指している。2018年7月の設立以来、愛知県豊田市を拠点に「空飛ぶクルマ」の開発を進めており、静岡県磐田市のスズキグループ工場では機体の製造を開始している。
官民協議会の構成員として制度設計にも関わり、2020年には日本初となる公開有人飛行試験に成功。2025年の大阪・関西万博でデモフライトを実施するなど、2028年のサービス開始に向けた取り組みを進めている。
株式会社SkyDrive

◾️株式会社ながれ技術研究所
株式会社ながれ技術研究所は、北海道旭川市を拠点とする流体試験装置・試験コンサルティングメーカーである。風洞試験装置や回流水槽をはじめ、各種センサー・制御装置、概念実証(PoC)装置の企画・開発・製造・コンサルティングを手掛けている。
試験装置の設計・製作だけでなく、試験方法の検討から計測、データ取得・評価まで、研究開発における一連の工程を支援する技術力を強みとしている。
株式会社ながれ技術研究所

◾️ストラト・ビジョン合同会社
ストラト・ビジョン合同会社は、福岡県北九州市を拠点とするセンサーハードウェアメーカーである。小型・軽量な超音波式風向風速センサー「ULSA」シリーズの企画・開発・製造・販売を手掛けている。
製品は、建築・空調設備の気流計測や風況把握、教育・研究用途、ドローン・ロボット開発時の評価などに活用されている。独自の超音波計測技術と組み込み技術を生かし、小型で扱いやすい風向風速計の開発に取り組んでいる。
ストラト・ビジョン合同会社

◾️株式会社東陽テクニカ
株式会社東陽テクニカは、最先端の「はかる」技術を提供する計測・評価ソリューション企業である。脱炭素・エネルギー、先進モビリティ、情報通信、EMC、防衛、情報セキュリティ、ライフサイエンス、量子など幅広い分野で、研究開発や製品開発に必要となる計測ソリューションを提供している。
クリーンエネルギーや自動運転などの先端分野にも注力しており、独自の計測技術を生かした製品開発や、新規事業投資、M&Aを通じた事業領域の拡大にも取り組んでいる。
株式会社東陽テクニカ

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