ALSOKやKDDIなど、大手企業のドローンによるインフラ点検サービスを大特集

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近年、都心でも過疎地でもインフラ点検や建物の補修には多くの人材・時間・労力が必要となり、コストの肥大化が課題となっています。ドローンに特化した企業だけでなく、本業に付随したサービスとしてワンストップで上記問題を解決すべく様々な企業がドローンを用いたサービスを開始しています。

警備会社のALSOKがインフラ点検とドローン自動巡回サービスを開始

ALSOKは、2014年よりドローンを用いたソーラー発電設備の点検向け空撮サービスの販売を始め、外壁調査等へメニューを拡大しながらドローンサービスを展開してきました。2021年11月より、新たに国土強靭化の一助となる社会インフラ点検向け空撮サービスおよび自動巡回ドローンサービスを開始、これに伴って全国パイロットネットワークを強化し、ドローン事業の更なる拡大に取り組んでいくと発表しました。

インフラ点検向け空撮サービス

高度経済成長期に建設されたインフラなどの社会設備の老朽化が進む中、その点検・補修のコストは肥大化を続け社会的な課題になっているといいます。そのような社会課題への一助となるべくALSOKは自動巡回ドローンのベースモデルであるSkydio2の機能を活用し、インフラ点検向けのドローン空撮サービスを開始。
第一弾として道路橋点検を対象に、西日本電信電話のグループ会社でありインフラ点検に多くのノウハウを持つジャパン・インフラ・ウェイマークと共同でドローンを活用した点検サポートのサービスを販売開始するとのことです。現在、点検が必要な2m以上の道路橋は全国で72万橋ありその点検コストは膨大なものとなっており、国土交通省はドローンを含む新技術の活用推進によりこの効率化を進めるとしています。ドローンを活用することで大型点検車両を使用する場合と比べ、コスト削減効果が期待でき、道路交通規制が必要な時間も削減されるため非常に有効な手段と考えられているとのことです。
なお、今後、道路橋以外のインフラ等点検への活用についても実証実験等を通して、サービス化を検討していくとしています。

自動巡回ドローンサービス

ALSOKでは人による巡回業務の代替を目的に、屋内の自律飛行ドローンの開発を進め、2020年7月の東京スカイツリータウンを始め、大規模倉庫、工場およびプラントなどで多くの実証実験を行ってきました。実証結果をもとに商用化への改善を重ね、今回、同サービスのリリースを発表しました。

課題となる全国規模でのパイロット育成

ドローン事業の拡大に併せ空撮業務の高品質なサービスを提供するため、全国規模でのパイロット育成を行います。まずは、今年度に50名以上のパイロット体制を構築し、数年内には100名以上の体制を目指すとのことです。

今回採用されたSkydio2とは?

自動巡回および道路橋点検向け空撮で活用するドローンは米国Skydio社のSkydio2をベースモデルとしたもので以下のような特長があり、GPSが届かない屋内や橋梁下での飛行に優れた性能を持っているといいます。今回、ALSOKの警備業務に必要な要件を基に、ジャパン・インフラ・ウェイマークおよびSkydio社と共同で巡回機能の開発協力をおこない、Skydio社と独占的なパートナシップを構築し国内での展開を行うとのことです。

【ドローンの仕様】(2021年11月5日時点)
(1)カメラによる全方位の画像処理(VisualSLAM)をリアルタイムに行うことでGPSのない環境において安定した
   飛行が可能
(2)最小離隔距離50cm以下、従来のドローンでは入り込めなかった複雑な環境への進入が可能(1.4m幅以上の通路
   を飛行可能)※ただし、一定の照度が必要
(3)自動巡回ではルート上の障害物を自動で回避、充電ドックへの自動離着陸を実現
(4)ドローン映像は無線通信を介して遠隔地へのリアルタイム送信が可能

JパワーとKDDI、全国約40カ所の電力設備ドローン点検実証を実施

電源開発(以下、Jパワー)とKDDIは、水力発電設備 約40カ所を皮切りに、全国に点在するJパワー保有設備のドローン点検実証を、2021年11月1日から順次実施しています。ダム、配電線、建屋などの電力関連設備をドローンで撮影、三次元モデル化し、設備異常の自動検出や経年劣化状況の解析といった技術を用いて、作業効率化、既存の点検作業との精度の比較や代替可能性などを検証しています。

JパワーはKDDIの協力のもと、2021年8月に設備点検でのドローン活用を推進する総合窓口を社内に設置しました。今回の点検実証後も、同窓口を通じてJパワーの電力設備点検技術とKDDIのドローン飛行・運用技術を組み合わせ、水力発電、火力発電、風力発電などの電力設備のドローン点検への取り組みを推進するとしています。

ドローンで撮影したデータから三次元モデル化した例(糠平発電所)

<実証内容>
電気設備
・ 開閉所設備外観点検 (鉄構、架線、保安保護柵、碍子など)
・ 配電線点検(架線、送電線劣化、電柱、碍子など)
・ 災害時遠隔地状況確認
・ 冬季入所困難地点点検
・ 放水口内の点検(水中ドローン)

土木設備
・ 洪水吐(コンクリート面クラック(ひび割れ)、ゲート類鋼構造物の発錆など)
・ ダム堤体(コンクリート面クラック、補修箇所など)
・ 水圧鉄管(管路の変状、発錆など)
・ 取水口、放水口(取水放水状況確認、コンクリート面クラックなど)

建築物
・ 建屋外観(壁面クラック、剥離、雨どい点検など)

ドローンによる水力発電設備点検のイメージ図

Jパワーは、電力設備点検の安全性向上や作業時間・コストの削減に向け、送電線・架空地線自律撮影技術を使った送電設備点検ドローンの技術開発など、ドローン利活用推進に取り組んできました。
その取り組みの中で、2020年9月からKDDIと共同で、風力発電設備においてドローンのオートフライト機能を活用したブレード(風車の翼部分)点検実証を実施し、点検時間を従来の10分の1程度に短縮することに成功しました。
2021年5月からは、67基の風力発電設備を対象にオートフライト機能を活用したドローンによるブレード点検を開始し、すべて完了しています。

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