農業用ドローンへクボタ参入。農業にも進むドローンの波。

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クボタ

これまで農薬散布といえば人が散布用の機械を背負って行うか、無人ヘリコプターを用いいるかの二択でした。

ここ数年、安定性が増し、無人ヘリコプターよりも安価で、操縦も無人ヘリコプターに比べて簡単、勿論同じ時間で散布できる面積は人力よりも広範囲と、メリットの多いドローンが注目を集めています。

既に様々なメーカーが農業用のドローンを開発しており、無人ヘリコプターで農薬散布の世界を牽引してきた大手のヤマハ発動機は2018年にも、農薬を散布するドローンを売り出す方針で、農薬散布用ではないものの大手のヤンマーはコニカミノルタなどと共同で、ドローンを用いて生育状態の把握が可能になるシステムを開発しており、水田での実証実験を行うところまできています。

このように農業でのドローンの活用が進んでいる中、農機大手のクボタが農業用ドローンに参入し、来年夏ごろを目標に国内の農家をターゲットに販売していくことを発表しています。

クボタが農業用ドローンに参入した背景

現在、農薬散布の現状は小、中規模農家は一般的によく目にする背負うタイプの背負式の動力散布が主流であり、続いて乗用式防除機が普及しています。比較的大きな農家向けには、無人ヘリコプターなど空から薬剤を散布する方式も利用されています。

また、担い手農家といわれる経営改善計画の市町村認定を受け、一定規模の農地を持つ認定農業者や集落営農が増加し、農業の大規模化が進んでいます。農業人口は急激な減少傾向でもあるため、農業の効率化・精密化が求められており、これからは空中からの農薬散布のニーズが今よりも更に増えることが予想されています。

しかし現段階でクボタは、陸上で農薬を散布する機械しか商品のラインナップにないため、今後の農業の流れを見越して自社ブランドの農業用ドローンを開発し参入することを決めたようです。

クボタドローンの特徴

発表された機体は、農家に近いクボタが商品全体の企画、試作評価、外観デザインを行い、(株)プロドローンがドローン本体の設計・試作、(株)丸山製作所が散布機の設計・試作をし、クボタブランドのドローンを開発しています。

幅1.6メートルで、6基の回転翼があるタイプ。一般的なドローン同様電池で動き、1ヘクタールの水田に10分で農薬散布が可能。技術的には自動での飛行もできるものの、現段階では人が無線で操縦する仕組みにするといいます。

これまでは無人ヘリコプターで散布する方式が増えており、国内で約2700機が登録されています。その規模は農薬散布面積の3分の1を担う程の広がりを見せていますが、その価格は1機で1200万円前後と高価でした。しかし発表されたドローンは1機200万円前後と、高価な機械の多い農業の世界では比較的安価に設定されています。

ドローンにはエンジンで動く無人ヘリコプターと比べて1回の飛行時間は短いという弱点がありますが、

クボタは高精度の散布性能、高い操作性、デザイン性を有するクボタブランドのドローンを開発することでユーザーの防除作業の軽労化、低コスト化、高効率化、安全へのニーズに対応していきます。

と発表しており、これからこのような農業用ドローンが業界を席巻していくことは間違いないでしょう。

クボタは先ずはモニター販売で利用者の意見を取り入れ、来年秋から広く売り出します。クボタの武器である全国に販売網を持つという強みを生かし、機器の整備態勢なども整えていく方針です。

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