ドローンを使ったスポーツ中継、Jリーグも挑戦

等々力スタジアム

8日に等々力で行われるJリーグ、川崎F—甲府戦の中継で、ドローンの導入が正式に決定しています。川崎FのMF中村は「ドローンで撮影した映像は、今までの素材とは違った角度や視点での映像になる。自分のプレーを俯瞰の画で見られるのは楽しみ」とコメントするなど、ドローンによる映像でサポーターに魅力的な映像を提供できるだけでなく、選手の更なるレベルアップへの貢献も期待されます。

史上初のJリーグドローン中継

川崎Fは昨シーズンのホーム開幕戦でビッグフラッグを掲揚する様子をドローンで撮影した実績があります。また、Jリーグも1月のニューイヤーズ杯においてもドローンによる空撮を経験しているものの、公式戦での飛行は今回が初の試みとなります。当日は、試合中の様子をメインスタンドとアウェー側スタンドの上空を移動しながら俯瞰で撮影し、カメラに搭載された追尾システムにより、狙った選手を追いかける映像の撮影も可能となっています。その他にもピッチ上空からの選手入場シーン、試合終了後の選手の様子などの撮影も予定されており、がこれまでスタンド上部のカメラとピッチサイドカメラが主だったサッカー中継に新たなスパイス加わります。

しかし忘れてはならないのは、ドローンが雨や風に弱く、その日の天候に左右されやすいというところ。大勢の人が集まる上空を飛行させるとなると安全を考慮して中止になる可能性もあります。今シーズン、所謂“DAZNマネー”が莫大に入り盛り上がりを見せるJリーグですが、世界に通用するリーグになろうとする動きを魅力的なコンテンツで後押しする為にも、ドローンを使った中継は成功して欲しいところです。

世界のスポーツ×ドローン

Jリーグ史上初のドローンによる中継が話題になっているため、スポーツ界で今現在どのようにドローンが使われているのかをこのタイミングで見てみます。ドローンはとにかくスポーツとの相性が良く、今回のような活躍が目に付きやすい試合中継は勿論ですが、最もドローンが活用できるのは練習やミーティングの時です。特に、長い距離の移動があり、ポジショニングが勝敗を大きく左右するフィールドスポーツでは、今後ドローンは欠かせないツールの一つとなっていくのではないでしょうか。

サッカー

世界ではミラン、エヴァートン、ナポリが、Jリーグでは柏レイソルがいち早くドローンを導入した事で話題になりました。ドローンで撮影した紅白戦や練習試合の映像をミーティング等で活用しています。ドローンによる俯瞰の映像にはテレビゲームのような見やすさがあり、選手一人一人のポジショニングやボールを持っていないときの動きまで明確に把握することができます。

ラグビー

前回のワールドカップでのラグビー日本代表の躍進にドローンが貢献していると言われています。ドローンを使って練習を撮影し、俯瞰で撮影された映像を後から分析することで、ポジションは勿論、タックル等で倒れた選手がどれぐらいのスピードで次のプレーに戻ることが出来ているかが分かるようになり、各選手の能力をデータとして取得できるようになります。そのデータを基に次の練習プランを考えたり、戦術を考えたりすることができる為、チーム全体を無駄なく回す事ができるようになります。

スポーツ界で当たり前の存在になるドローン

ドローンを使った、試合や大会の撮影に関しては、スピードが速く、小回りも利き、カメラが安定していて高画質である、という特徴から、現在はスケートボードやスノーボード、スキー、モトクロス、といったトリッキーな動きが多いエクストリームスポーツや世界ラリー選手権(WRC)等でドローンは多く活躍しています。動き回る選手や車の後ろをドローンで追尾したり、そこから前方に回り込んでバックしながらの撮影など、迫力と臨場感溢れる映像を撮影することができるため、一度ドローンという空飛ぶカメラを使った映像を撮影したら離れられなくなるでしょう。

今後は、万が一の際の安全対策も含めた機体の性能が上がっていくことで、一箇所に大勢の人が集まるスポーツイベントの撮影にもドローンの導入が増えてくるでしょう。2020年の東京五輪の頃には、ドローンが収集したデータを基に練習を積んできた選手達を、ドローンでダイナミックに撮影して世界に発信するということが当たり前になっているかもしれません。

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