ターミネーターを連想させる米国防総省発表のドローン実験

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アメリカ国旗

ドローンが元々戦争のために研究開発されていたもので、第一次世界大戦の頃には既に無人航空機の案が存在していたことは案外知られていません。※詳しくは以前の記事ドローンの歴史からどうぞ。

皮肉なことに今こうして当たり前に使っているインターネットもそうですが、我々の生活を豊かにする技術というのは、戦争がきっかけで研究開発され発展してきています。

我々の耳にはあまり入ってきませんが、実際に現在使用されている軍事用のドローン(無人航空機)は驚くほどの進化をしており、遠隔操作で偵察や監視は勿論、爆撃にも多く使われています。

近年世間を賑わしているドローン関連のニュースは民間の商用利用についてがメインですが、1月9日に米国防総省が人工知能(AI)で制御される超小型ドローンを使った大規模な実験に成功したことを発表し一部で話題になっています。

親機から投下される超小型ドローン群

実験は昨年10月にカリフォルニア州で行われ、3機のFA18スーパーホーネット戦闘機が「パーディクス」と呼ばれる超小型ドローン103機を投下し、人工知能(AI)により各機体に協調させて編隊飛行させるというもの。

「パーディクス」はマサチューセッツ工科大学が13年に開発した機体がベースになっており、新型ハイテク兵器を開発するために発足した戦略能力研究室(SCO)と空軍が共同開発しており、機体の全長約16センチ、翼幅約30センチ、重量は290グラムで、最高速度は時速111キロに達し、航空機から投下するだけではなく、海上艦船や地上からの離陸も可能だといいます。

ターミネーターのあの兵器が現実になる日も近い!?

この実験で最も注目すべき点は、ドローンが超小型であるというところよりも、やはり人工知能(AI)のところでしょう。

スーパーホーネットから投下されたパーディクスは、オペレーターが指示した目的地に向け飛行をしますが、経路はドローン自身が最適の解答を見つけて判断します。

つまり、各機体をあらかじめ個別にプログラムして動かしているのではなく、各機体が分散型の1つの頭脳を共有して意思決定を行っているため、自然界の昆虫や動物の群れのように互いに協調して動くことができるということです。

指示する者を必要としないパーディクスは、新たにドローンが集団に入ったり、逆に集団から抜けたりしてもうまく適応できてしまうといいます。

このパーディクスの技術が、銃の反動に耐える事ができるドローンに応用されたらどうでしょうか、それはもう昔観た映画ターミネーターの世界にかなり近いのではないでしょうか。

劇中で主人公たちを追い詰めるドローン(無人航空機)は、搭載されたカメラで顔を認識して攻撃を行っていました。

今既に、ドローンで撮影した映像を基に顔認証をする技術は存在していますし、赤外線カメラを搭載してしまえば昼も夜も関係なくなります。

民間も然り、昔思い浮かべていたSFの世界は気づけば直ぐそこまで来ているようです。

最後に

今回は普段我々の耳にはあまり入ってこない軍事利用されているドローンについて少しだけ触れてみました。

冒頭でも触れたように、軍事で先に発展した技術が後に我々の生活を豊かにするという歴史のとおり、今回のパーディクスの技術も民間で応用されるようになるでしょう。

既にAIとドローンを組み合わせてサービスまで落とし込んでいる会社は存在していますが、それは世界的にみてもまだ数社程度です。

インターネットの時と同じように、多くの会社や個人がこのような技術を使えるようになった時に本当の『空の産業革命』が訪れることになるのではないでしょうか。

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