KDDIのスマートドローンが長距離完全自律飛行実験に成功

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KDDIスマートドローン

KDDI株式会社は、新潟県長岡市山古志にて、日本初の「4G LTE運航管理システム」を用いた、「スマートドローン」による4G LTE完全自律飛行実験を実施し、山古志支所から約2km離れた住民宅へ食品を届ける長距離飛行を成功させました。スタートから着陸までは約8分。
実証実験は災害時や高齢化など、地域の抱える課題に対し、ドローンソリューションによる解決を実証する実験の第一弾となっています。今回の実験は、新潟県長岡市山古志が2007年に発生した新潟県中越沖地震時を経験し、今後の災害時の支援や被害状況の把握等、ドローンでの対策を従来より検討していた経緯があり、「スマートドローン」を用いた4G LTE完全自律飛行実証実験に賛同したことにより実施に至りました。

KDDIは以前より、ゼンリン(3D地図担当)、プロドローン(機体担当)と共に「スマートドローンプラットフォーム」というプロジェクトを進めており、今回の実証実験の成功はプロジェクトの大きな一歩となっています。「スマートドローンプラットフォーム」についての詳しい内容は以前の記事で紹介しています。

スマートドローンプラットフォーム

「4G LTE運航管理システム」

スマートドローン2「4G LTE運航管理システム」は4G LTEネットワークを活用することにより、4G LTE対応ドローンへの飛行ルート指示を行うと共に、飛行中の位置、高度、速度、電波状況、カメラ映像などの飛行状況を4G LTE経由で監視し、離陸から着陸まですべての操作を4G LTEにて制御が可能です。
また、飛行時に取得した動画像のメディアデータはダイレクトにサーバーへ送信され、Web上で閲覧可能になります。各機体・オペレーター の情報管理や、それぞれの飛行に関するフライトログ情報も取得し、ドローン事業運用に必要な情報を包括的に提供することもできます。
現状のドローンの飛行は、飛行現場にてオペレーターが操作する送信機からの電波によって、飛行制御を行っていますが、この運航管理システムを利用することで、Webから直接ドローン本体と4G LTE通信を介して制御することが可能になります。これにより、これまでのドローン向け通信では実現できなかった、長距離完全自律飛行ができることが今回の実験にて実証できたことになります。

「フライトプランの作成」

Web上からマップを呼び出し、任意の飛行ポイントを指定し、各点における高度・ポイント間の飛行形態 (直角での進行等)を設定可能。また、ジオケージング という仮想上の檻を設定することで、風雨・機体トラブル等の不測の事態に設定エリアを外れて飛行したドローンは、自動的にエリア内/設定地点へ帰還を行います。
スマートドローン3

「リアルタイム制御」

設計したフライトプランに基づいた制御命令を4G LTE回線を通して、ドローンに伝えます。また、飛行制御に留まらず、飛行時のリアルタイム映像も「ライブビューエリア」において確認が可能となります。緊急時の強制帰還などにも対応しています。スマートドローン4

今後のKDDIの動き

KDDIは、人口カバー率99%超の4G LTEネットワークと、4G LTEに対応した「スマートドローンプラットフォーム」を活用し、地域課題解決やインフラ点検等、さまざまなソリューション提供に向けた実証実験を実施していく方針で、日本の国内のドローン業界を先頭に立って引っ張っていく存在となっていきそうです。

 

画像・情報提供元:KDDI http://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2017/05/09/2422.html

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