ユニセフ、ドローンを活用した輸送テストを活発に推進

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ユニセフマラウイ

南太平洋のバヌアツ政府とユニセフ(国連児童基金)は2017年8月からドローンによるワクチンを届けるテストを実施します。
太平洋地域で初となるこの試みでは、ドローンでバヌアツの遠隔地のコミュニティに命を守るワクチンを届けるテストを実施し、ドローン輸送の能力、効率、効果を検証します。

バヌアツは、地形の問題から物流困難な地域があり、費用も高額なため、地域の保健施設に必要不可欠な医療物資を常備することが課題となっています。今回のテストによって、ドローンを活用することがより信頼できる輸送の形だと証明されることが期待されます。

バヌアツで実施されるテスト内容

今回のテストの第一フェーズは8月21日から25日に実施されます。参加者は、エフェテ島北部の旧タカラ滑走路から、沖合の島々、エマオ、ペレならびにヌグナの上空を飛行し、54キロメートル離れたアンディン湾上に設置された標的を狙ってパッケージを投下します。その後ドローンはタカラ滑走路に戻り着陸します。

バヌアツ保健省、公共事業省およびユニセフは、テストの第一フェーズに参加申請した候補者の選考を終え、最終的に6組の参加候補者が決定されています。

3つのフェーズ

ユニセフバヌアツ

バヌアツで実施されるテストは3つのフェーズに分かれており、8月にエフェテの島々の上空を飛行し様々な技術的性能の基準に沿って評価をした後、2018年2月と3月には対象とする島々の保健員にワクチンを届ける方法のプロポーザルを提出してもらい、2018年には、より長期間、定期的な医療物資の輸送にドローンを利用する試験を実施する予定です。

アフリカでは既にドローン輸送実施中

ユニセフがドローン輸送のテストを行うのは今回が初めてではなく、アフリカのマラウイでは既に現在進行形でテストを実施しており、先月には世界初となるドローンの人道支援・開発支援利用の可能性をテストするために開設された、UAS(無人航空機及び、その周辺の高度な制御システムの総称)の飛行ルートの運用も開始しています。

マラウイの現状

HIV

ユニセフマラウイ2マラウイは、国全体でのHIV罹患率が10パーセントと、いまだ世界で最も高い水準にあります。2013年時点で、推定100万人のマラウイの人々がHIVと共に生きており、同年4万8,000人がHIVに関連した疾患で命を落としました。今日では90パーセントの妊婦が自身のHIV感染状況を認識しているなど進展も見られていますが、いまだ乳幼児が検査や治療を受けられていないケースがあります。

毎年約1万人の子どもたちがHIV/エイズによって命を落としています。このような子どもたちへ質の高いケアを行うには、乾燥した血液サンプルを検査のために保健センターから中央の研究所に送り、早期診断を行う必要があります。

現在、血液サンプルを保健センターから研究所に送るまで平均11日、結果が送り返されるまで最長8週間を要しています。検査から結果通達までの期間が長くなればなるほど、必然的に患者が治療を受けられなくなる率が高まってしまう現状です。

災害

マラウイはHIVだけではなく、災害にも悩まされています。これまで何度も深刻な干ばつや洪水の被害に遭っており、条件の良い通常時でさえ陸路でのアクセスが限られているにもかかわらず、鉄砲水が発生すると土の道路は川になることもあり、被災したコミュニティへのアクセスは、完全に絶たれてしまうため、より迅速な被災状況の把握を行える手段が求められています。

マラウイの課題解決のためのドローン活用状況

マラウイでは比較的早い段階でドローン輸送のテストや調査が行われています。2016年3月には、乳児のHIV感染の早期検査を実施するために、ドローンで乾燥させた血液サンプルを輸送するという、フィージビリティ・スタディ(実行可能性調査)が行われました。この調査の結果、UAVは、HIV検査に用いられる既存の輸送システムに加えられる、実行可能な手段であることが示されています。

また、今年2月から4月にかけて、ドローンを活用することで、被災したコミュニティや家族たちの状況を、より迅速で、より効率的に、費用対効果の高い方法で調査するために、ドローンによる空撮を、サリマ、リロンゲ、カロンガにおいて行いました

ユニセフは今後も、緊急の捜索や救出活動を支援する目的でのドローン利用の可能性を調査していく方針です。

ユニセフマラウイ3

運用開始された人道的目的のUASテスト飛行ルート

  • 画像・映像:開発支援や人道危機に際して、航空画像・映像の撮影・分析。洪水や地震が発生した際の状況モニターを含む。
  • 通信:特に緊急事態が発生した際に、通信困難な地域において、UASがWi-Fiや携帯電話通信電波を拡大することの可能性調査。
  • 輸送:小型で軽量の物資、例えば緊急時の医療物資、ワクチン、HIVテスト用血液など検査診断用の血液などの輸送。

飛行ルートで様々なテストを実施し、上のような3つの分野を促進させていきます。

将来的に、マラウイやバヌアツで得られた知見や技術が、世界中の交通インフラが満足でない地域や、緊急時にアクセス困難になる地域へと広がることで、多くの命を救うことができるかもしれません。

 

画像掲載元:
unicef
http://www.unicef.or.jp/news/2017/0157.html
http://www.unicef.or.jp/news/2017/0139.html
PR TIMES
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000957.000005176.html

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