“5G・ドローン促進法”が参議院本会議で可決

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衆議院本会議は27日、「特定高度情報通信技術活用システム普及促進法」を可決した。この法律は次世代通信技術「5G」と小型無線機「ドローン」の開発・導入企業を支援する為のものである。政府は8月中の新法施行を目指す。

「特定高度情報通信技術活用システム普及促進法」とは

この法律は、特定高度通信情報技術活用システムの開発供給・導入に関係する企業を支援することで、関連する産業の国際競争力の強化、及び新たな事業の創出・革命の促進を目指すものである。またサイバーセキュリティを確保・向上させることが重要な点とされている。

背景にあるのはファーウェイ問題?

ファーウェイ問題とは、中国通信機器大手メーカー「ファーウェイ」が製造するスマートフォンのプログラムの中に”バックドア”なるものを仕込み、アメリカやその同盟国の情報をスパイしているのではないかという疑惑のことです。2018年12月、カナダ司法省がアメリカ当局の要請を受け、ファーウェイCEO孟晩舟氏を逮捕。その容疑は「イランへの違法輸出に関わった疑い」というものでしたが、明らかに情報流出疑惑が関係していました。この逮捕事件が発端でファーウェイ問題が明るみとなり、アメリカは政府機関や内部でのファーウェイ製品使用を禁止。同盟国にも次世代通信網からのファーフェイ除外を求めました。

ファーウェイ問題における情報流出はあくまで疑惑であり、ファーウェイ側も内容を否定しています。しかしこの問題により海外メーカー製の通信機器を使用することに対するセキュリティリスクが露呈し、各国が通信機器のあり方を再考する機会となりました。

支援される事業者は?

この法律により支援される事業者は大きく2つに分かれる。

①開発供給事業者(ベンダー)
特定高度通信情報技術活用システムの開発供給を行う事業者。半導体や通信設備の製造、ソフトウェアの開発などを行っているものがこれに該当する。申請先は経済産業省(ドローン)、もしくは総務省(5G)となる。

②システム導入事業者
特定高度通信情報技術活用システムを導入する事業者。通信キャリアや各種製造業者がこれに該当する。申請先は各事業所管省となる。

セキュリティ、及び事業者の信頼性、製品の供給安定性、オープン性(国際基準規格に準拠)において一定のレベルを満たすことが認定される基準となる。

支援される内容は?

支援される内容は以下の通り。

①5G投資促進税制の適用 ※システム導入事業者のみ対象
法人税の税額控除15%(又は特別償却30%)と固定資産税減免1/2(3年間)の優遇
※固定資産税減免1/2はローカル5Gの整備に関連する事業者のみ対象

②ツーステップローン
日本政策金融公庫法の特例により、開発費融資の円滑化

③中小企業投資育成株式会社法
当法律の特例により、株式保有・資金調達の優遇

④中小企業信用保険法
当法律の特例により、開発供給等の関連保証、保険の優遇

ドローン開発に与える影響は?

特定高度情報通信技術活用システム普及促進法は、まさにドローンを具体的な促進対象としている点で面白みがある。この法律が施行されることでより多くの事業者がドローン開発に参入する可能性があり、”DJI一強”とされている現在のドローン市場をどれだけ覆すことが出来るか、大きな見所である。

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