「空の移動革命」Terra Drone、三井物産、三井物産エアロスペース、低空域インフラ整備の事業創造へ

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ドローン

ドローンを活用したサービス・運行管理/画像解析のソフトウェアを提供するTerra Drone(テラドローン)株式会社は、総合商社の三井物産株式会社、およびそのグループ会社で航空・宇宙・防衛事業を担う三井物産エアロスペース株式会社と、「空飛ぶクルマ」分野における市場調査や事業構築に向けた業務提携を締結したことを、2021年9月6日(月)に発表しました。

「空飛ぶクルマ」の安全かつ効率的な飛行の実現、新規事業の創出を目指す

本提携により、3社で低空域のインフラにおける課題解決のため、将来のエアモビリティ領域での事業創出を目指すとのことです。
その第一歩として、ヘリコプターやドローン等を活用したエアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業の実証実験を行う予定です。
将来的な都市部における「空飛ぶクルマ」を活用した輸送サービスの提供を見据え、空飛ぶクルマ・ヘリコプター・ドローンなど多種多様な機体が混在している状態で、安全かつ効率的な飛行を実現する運航管理に必要な機能等についての実証を行い、その有効性を検証するとしています。

大阪府の「空飛ぶクルマ」の運行管理実証実験にも参加

Terra Droneでは既に大阪府が「空飛ぶクルマ」の実現をめざし進めている公募案件「空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験」の「エアモビリティ統合運航管理プラットフォーム事業」に採択されており(2021年8月27日(金))、「空飛ぶクルマ」などの運航管理に必要な機能等についての実証に取り組んでいます。
大阪府では、2020年11月に、産学官40超のプレイヤー参画による「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」を設立し、2025年大阪・関西万博をひとつのマイルストーンとして、関係者間で精力的に協議しています。
大阪というリアルなフィールドでの実証実験により得られたデータや結果等をラウンドテーブルにフィードバックし、具体的な課題解決に向けた議論を進めています。
そのために、将来大阪において「空飛ぶクルマ」を活用した事業展開をめざしている事業者による実証実験の取組みに補助金を拠出しています。
対象となる事業は、大阪での「空飛ぶクルマ」を活用したビジネス(想定する運航ルートの離発着ポイントの少なくとも一つが大阪府内にあるもの)の実現に向け、大阪の飛行環境の検証や、運用面での課題などを検証する実証実験であって、大阪府内のフィールドを利用して実施するものとなっています。
Terra Droneは、三井物産、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、朝日航洋株式会社との共同事業で本事業に採択されており、「空飛ぶクルマ」、ヘリコプター、ドローンなどが混在している状態で安全かつ効率的な飛行を実現する運航管理に必要な機能等についての実証を行い、その有効性も検証していくとしています。
2021年度は、大阪でヘリコプターやドローンなどを活用した実証実験を実施する予定です。

「空の移動革命」のため、「空飛ぶクルマ」の運航管理機能実証を進めるTerra Drone

都市部の渋滞を避けた新しい移動手段へのニーズ、近年増加する災害時の救急搬送や迅速な物資輸送の必要性の高まり等を背景に、「空の移動革命」という言葉を耳にする機会が多くなってきています。
空の移動が人々にとってもっと身近になれば、都市の在り方が変わる可能性があり、滑走路がいらない「空飛ぶクルマ」は既存のインフラに縛られることなく最短距離の移動が可能になるとも言われています。
「空飛ぶクルマ」は将来的に、ドローンとシステム連携したり、空域を共存したりすることが必須になると予測されており、Terra Droneはドローンを安全・簡単に操縦するためのアプリケーションソフト「Terra UTM」を提供、エアモビリティ株式会社の提供する空飛ぶクルマに関連するプラットフォーム「ASCP(エアモビリティ・サービス・コラボレーション・プラットフォーム)」と相互連携することにより、「空の移動革命」を進めています。
また、ドローンの事業展開で蓄積したUTMに関する技術を基盤として、より安全面を考慮したAAM(Advanced Air Mobility=「空飛ぶクルマ」などの次世代モビリティの運用概念)のもと、様々な実証を展開する予定です。
将来的な都市部における「空飛ぶクルマ」を活用した、輸送サービスの提供を見据え、「空飛ぶクルマ」・ヘリコプター・ドローンなど多種多様な機体が低空域に混在する状態で、安全で効率的な飛行を実現する運航管理に必要な機能の実証、有効性の検証などを通じて、低空域のインフラにおける課題解決を図っています。

2030年代後半、エアモビリティのリアルタイム運行管理に向けた様々な取り組み

また、2030年代後半には移動の利便性向上や物資輸送の迅速化などに向けて、世界中の空を多数のエアモビリティが飛び交うとも想定されています。
その実現のために不可欠となるリアルタイムでの航路およびダイヤ管制に向けて、各社でも開発や実証実験が進んでいます。
2021年6月には住友商事株式会社、東北大学、無人機管制システムの開発などを手掛ける米国のワンスカイ・システムズ社の3者が、多数のエアモビリティの飛行をリアルタイムで制御する実証実験を開始すると発表しました。
管制には各機の飛行性能や積載内容などの情報や、気象条件などの外部情報に関する膨大なデータを瞬時に計算する必要があるため、量子コンピューター使用して最適な航路やダイヤを割り出す実験を、今月から12月にかけて実施することを発表しています。
また行政でも9月に発表された2022年度に向けた経済産業省の概算要求にて、製造産業局産業機械課次世代空モビリティ政策室が、「空飛ぶクルマ」をはじめとした次世代空モビリティの安全性確保と、運航の自動・自律化による効率的な運航の両立を目指すための新規事業として38億円を要望しています。
ドローンや「空飛ぶクルマ」の機体性能を適切に評価し安全性を証明する手法の開発や1人の運航者が複数のドローンを飛行させるための技術開発、同時運航に必要な運航体制の検証や、それらの安全性を評価する手法の開発を実施するとしています。
また、同じ空域を飛行する際の空域共有の方法に関する全体アーキテクチャ設計や技術開発および実証などを行い、「空飛ぶクルマ」の高密度運航や、自動・自律飛行に必要となる航法や通信、動態把握などに関する技術開発・検証も進め、こうした研究開発成果を海外に発信、国際標準化への提案を実施し、日本主導によるルール形成を行っていくとしています。

Terra Droneについて

2016年2月に創業、「ドローンのベンチャー企業」として各インダストリーの自動飛行システムや運航管理システムを開発しています。
世界的なドローン市場調査機関「Drone Industry Insight」による「ドローンサービス企業 世界ランキング2020」において、産業用ドローンサービス企業部門の世界1位に選出され、2021年2月にシリーズAで15.1億円の資金調達を実施しています。
点検分野では海外グループ子会社で欧州の大手オイル&ガス会社を中心に200件以上の実績をもつTerra Inspectioneeringと連携し、特許取得済みのUT(超音波探傷検査)ドローンを用いた検査技術を導入し、運航管理分野では、JAL、KDDI等と共同でドローン社会の実現において必須の運航管理プラットフォームである「Terra UTM」を開発しています。
運航管理システム分野における国内外の強みを活かし、「空飛ぶクルマ」領域にも事業拡大。培ってきた有人機・無人機連携技術や災害・警備/警戒の知見を活かし、低空域を自由に使える社会を実現すべく事業を推進しています。

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