
2025年10月中旬より、NTT e-Drone Technology(NTTイードローン)とNTT東日本千葉事業部は、千葉県と協力して高病原性鳥インフルエンザの予防対策に取り組む。県内の養鶏場を対象に、忌避レーザーを搭載したドローンを活用し、野鳥の侵入を防ぐ新たな防疫ソリューションを導入する。
背景
近年、鳥インフルエンザの感染拡大が深刻化しており、2025年初頭には千葉県内で330万羽以上の鶏が殺処分される事態となった。感染源の一つとされる野鳥の侵入を防ぐため、従来は防鳥ネットなどが用いられてきたが、十分な効果が得られていなかった。

新技術による対策
今回導入されるドローン「BB102」は、赤色と緑色のレーザー光を照射することで鳥獣に不快感を与え、養鶏場への接近を防止する。搭載される忌避装置「クルナムーブ」は、ランダムに動くレーザー光とスペックルノイズにより忌避効果を持続させる。これにより、騒音や化学物質を使わず環境負荷の少ない対策が可能となる。
ドローンは自動航行機能を備えており、日々変化する侵入ルートにも柔軟に対応。人手による追い払いの負担軽減や運用コストの削減にも寄与する。



公的支援制度
千葉県は2025年7月より「家畜伝染病対策緊急強化事業」を開始。養鶏事業者が構成する協議会などを対象に、導入費用の3分の1を上限とする補助金(総額2,000万円)を提供しており、今回の取り組みもその対象に認定されている。
役割分担と今後の展望
NTTイードローンは機器の開発・製造・運用支援を担当し、NTT東日本は自治体との調整や全体管理を担う。両社は今後も千葉県と連携し、養鶏業の持続可能な経営を支援するとともに、今回の事例をモデルケースとして他地域への展開も視野に入れている。さらに、鶏舎の消毒や暑熱対策など、他の鳥獣害対策への応用も検討されている。











