Flyabilityの創業者たちは、2011年に起きた史上最大級の福島での原発事故の発生から、狭く危険な空間に入りデータを収集できる飛行ロボットを作ろうと思い立ちました。それが「Elios 1」というドローンの誕生につながり、その後もユーザーからのフィードバックをもとに開発を続けていました。その開発努力の最新の成果が、2022年5月に発売された「Elios 3」です。
この新しいドローンは、ラスベガスで開催されたCommercial UAV Expo 2022で展示され、FlyabilityのシニアコミュニケーションマネージャーであるZacc Dukowitz氏は、Commercial UAV Newsの取材に応じ、Elios 3と新製品の特徴について話してくれました。
Elios 3は、限られた狭い空間での屋内検査用に特別に作られたもので、この場所は人間が安全に行くことができるのか、または困難な場所なのかを3Dマッピングで判断できるようにします。
Elios 3が発する熱センサー・光センサー
Zacc Dukowitz氏は、Eliosシリーズを採用している主要産業の 1 つとして鉱業界を挙げましたが、それだけではありません。従来から定評のある耐衝突性に加え、以前のEliosモデルの熱センサーとは対照的に、今回は光センサーを搭載したことが大きな特徴です。また、ユーザーはセンサーによって取得されたデータをリアルタイムで確認でき、ドローンが見ているものの全体像を把握することが可能です。
Zacc Dukowitz氏は、検査案件にとってのリアルタイムデータの重要性を強調し、検査官は検査が完了する前に、ドローンによってすべてのエリアが漏れなく検査されたことを知ることができ、時間の節約につながることを説明しました。
粉塵さえも「見通す」、Elios 3の魅力
これらの新しい光センサーが検査に大きな違いをもたらす興味深い使用法として、採掘だけでなく、セメント工場などの検査なども例にあげられます。セメント工場の環境下では大量の粉塵が発生し、一般的なカメラではドローンの前方数センチを見ることができないため、業務を遂行することはほぼ不可能です。しかし、光センサーは粉塵を「見通す」ことが可能で、リアルタイムにデータを取得できるため、問題なく業務を継続することができます。
このようにElios 3は、狭い場所や潜在的に危険な場所などの調査や地図を作成する必要がある担当者にとって、多くのケースで重要なツールとなるでしょう。
鉱業やセメント工場など、従来から過酷とされていた労働環境にドローンの導入が広がることで、働く人の負担の軽減が実現するといいですね。